●第二反抗期(→p.9) 青年期に自我にめざめて自己主張していく中で、親や周りの大人の無理解や、大人との考え方の違いから、反抗的な態度をとるようになることをいう。幼児期の第一反抗期の次の反抗期。
●第二の誕生(→p.9) フランスの思想家ルソーが著書『エミール』の中で、母親から生物学的に誕生したのちに、青年期に自我にめざめ、それまでとは違う新たな「自分」として誕生することを例えた言葉。
●心理的離乳(→p.9) 青年期に親から精神的に自立することを乳児の離乳に例えた言葉。
●通過儀礼(イニシエーション)(→p.9、11) 誕生、成人、結婚など、人生の節目に区切りとして行われる儀礼で、ある社会的地位・役割から他の社会的地位・役割へ変化することを保障する意味を持つ。
●境界人(marginal man、周辺人)(→p.9、10) 青年期に、子どもでも大人でもなく、その境界、周辺に位置し、どちらの集団にも属さない中間的な存在となった人をいう。ドイツの心理学者レヴィンによる用語。
●第二次性徴(→p.10) 生まれつきの性差(第一次性徴)に対して、思春期から性ホルモンの働きが活発になって、身体各部に生じる性差。
●発達加速現象(→p.10) 身体的成長が早まる現象。身長や体重の増大と、第二次性徴の低年齢化などがある。栄養状態の改善、生活様式の欧米化、都市化による刺激などの影響による。
●モラトリアム(moratorium)(→p.11) 青年期は生き方を模索し、大人への準備をするために、社会的な役割や義務を猶予されている期間であるという意味。エリクソンによる用語。
●ライフサイクル(人生周期)(→p.12) 人間の一生をいくつかの段階によるサイクルと考えるもの。エリクソンは、人間の一生を8つの発達段階に区分し、課題の達成により自己実現をしていくと考えた。
●発達課題(→p.13) 人間が幼児から成人へと発達していく各発達段階で、達成しなければならない課題。ハヴィガーストが提唱した。アメリカの心理学者エリクソンは、青年期の発達課題をアイデンティティの確立であるとした。
●アイデンティティ(identity)(→p.13) 青年期の発達課題。自己同一性、自我同一性などと訳される。「この自分でよい」「これからもこの自分でやっていける」「この自分は周りから受け入れられている」などの感覚。エリクソンによる用語。
●劣等感(→p.13、20) 他者や理想の自分と比較して、自分が劣っていると思い悩むこと。特に青年期に経験する心理。劣等感を克服しようとすることは成長の原動力となる。