●適応(→p.12) 家庭や学校、職場などの環境に対応しながら、自らの欲求も満たすこと。一方、不適応は、環境と不調和な状態で、欲求が満たされないことをいう。
●欲求不満(フラストレーション)(→p.12) 欲求が何らかの理由で阻止され、満たされないこと。この状態が続くと、不安や苛立ちが募ったり、攻撃的になったりする。
●欲求階層説(→p.12、15) 人間の欲求を5段階に分類し、低次の欲求が満たされれば、さらに高次の欲求を満たそうとして行動するとした説。アメリカの心理学者マズローが唱えた。なかでも、人間が生きるための生理的欲求を一次的欲求といい、それが満たされて生まれる心理社会的欲求を二次的欲求という。最も高次な欲求は自己実現の欲求である。
●葛藤(conflict)(→p.13) 二つ以上の欲求が同時にあり、選択に迷って適切な行動ができなくなっていること。①接近─接近型(どちらもしたい)、②回避─回避型(どちらもしたくない)、③接近─回避型(したいがしたくない)の三つに分類される。
●防衛機制(→p.13) 欲求不満や葛藤によって生じた不安や緊張などをやわらげ、自我を守ろうとする心の働き。フロイトが解明した。抑圧や昇華、同一視などがある。
●ヤマアラシのジレンマ(→p.14) 自立と相手との一体感という二つの欲求によるジレンマ。2匹のヤマアラシが身を寄せ合って暖め合いたいが、針が刺さるので近づけないという、ドイツの哲学者ショーペンハウアーの寓話に由来する。
●個性(→p.16) 人の特有の性質。パーソナリティ(人格)が、ある人の全体的な特徴を意味したり、人間の心に共通の構造を意味したりする場合があるのに対し、個性は、特に他の人と異なった性質を意味する。
●キャラクター(性格)(→p.16) 行動に表れる意志や感情の特徴、行動傾向。他に、小説などに登場する人物や動物などの性質のこと。今日、様々なものが擬人化されキャラクター化されている。
●パーソナリティ(→p.16) 知能や記憶、価値観などを含む包括的な概念。性格や個性とほぼ同じ意味で用いられる。語源は、ラテン語のペルソナ(舞台役者のかぶる仮面)。
●ビッグファイブ(→p.16、17) 人間の性格を5つの特性(外向性、調和性、誠実性、神経症傾向、開放性)によって説明しようとする仮説。
●発達課題(→p.21) 人間が幼児から成人へと発達していく各発達段階で、達成しなければならない課題。ハヴィガーストが提唱した。アメリカの心理学者エリクソンは、青年期の発達課題をアイデンティティの確立であるとした。
●ライフサイクル(人生周期)(→p.21) 人間の一生をいくつかの段階によるサイクルと考えるもの。エリクソンは、人間の一生を8つの発達段階に区分し、課題の達成により自己実現をしていくと考えた。