6 西洋思想との出会い

杉田玄白(1733~1817、蘭方医)
 前野良沢らと西洋医学書『ターヘル・アナトミア』を翻訳、『解体新書』として刊行。『蘭学事始』はその苦心談

緒方洪庵(1810~63、蘭学者、医者、教育者)
 「医は仁術」を実践。蘭学塾「適塾」を開き、橋本左内・福沢諭吉・大村益次郎ら多くの人材を育てる

③渡辺崋山(1793~1841、蘭学者、画家)と高野長英(1804~50、蘭学者、医者)
・幕府の米船モリソン号撃退を、崋山は『慎機論』で、長英は『戊戌夢物語』で批判→幕府による弾圧(蛮社の獄)

④佐久間象山(1811~64、朱子学者)
主著『省諐録』
・「東洋道徳、西洋芸術」(東洋の伝統的な精神の上に、西洋文化を知識・技術として積極的に取り入れる)
和魂洋才……日本人の伝統的な精神を根底に、西洋の科学・技術を取り入れ活用しようとする態度を示す言葉

横井小楠(1809~69、朱子学者)
主著『国是三論』『国是七条』
・「堯舜孔子の道を明らかにし、西洋器械の術を尽くす」(儒教の理想に基づいて、西洋の技術を取り入れる)
・「天地公共の理」を掲げ、開国平和論を主張

⑥水戸学……『大日本史』の編纂の過程で水戸藩に成立した学風。幕末の尊王攘夷運動に多大の影響を与える
 会沢正志斎(1782~1863) 『新論』を著し、尊王攘夷運動の思想的な支柱となる

⑦吉田松陰(1830~59、幕末の志士、尊王思想家)
主著『講孟余話』
・「誠」を強調、一君万民論で尊王思想を説く。私塾「松下村塾」で多くの倒幕の志士を育てる。安政の大獄で刑死