2 科学革命と自然観
1 近代科学の形成
①近代の天文学者、科学者たち
コペルニクス(1473~1543)
主著『天球の回転について』
太陽を中心とする天文学を提示(地動説)
ケプラー(1571~1630)
主著『宇宙の神秘』『宇宙の調和』
コペルニクスの地動説を天体観測によって確認。惑星の軌道が楕円であることを発見(惑星の軌道に関する法則)
ブルーノ(1548~1600)
主著『無限、宇宙および諸世界について』
宇宙は無限であり、中心が存在しないと主張。異端教説を取り下げず、火刑に処せられる
ガリレイ(1564~1642)
主著『天文対話』
コペルニクスの地動説を支持し、宗教裁判にかけられる
実験・観察とその数学的分析により、様々な法則を発見。近代科学の方法論を確立
ニュートン(1642~1727)
主著『自然哲学の数学的原理(プリンキピア)』
万有引力の法則を定式化
2 経験論と合理論
①フランシス・ベーコン(1561~1626)
イギリス経験論の確立
主著『ノヴム・オルガヌム』
・新しい学問を構想……新しい学問は人間の幸福を増大するためにある。既存の学問を批判
4つのイドラの批判(種族のイドラ、洞窟のイドラ、市場のイドラ、劇場のイドラ)
・自然に従うことにより、自然を征服する新しい科学が必要→「知は力なり」
・帰納法……実験と観察によって記録を積み重ねて自然の法則、本質を探る→経験を重視。新しい科学的方法の確立
②イギリス経験論の展開
人間の認識は経験に始まるとする立場
バークリー(1685~1753)
主著『人知原理論』
「存在するとは知覚されること」
ヒューム(1711~76)
主著『人性論』
「自我とは知覚の束にすぎない」
原因と結果の因果関係さえも疑う……懐疑論
③デカルト(1596~1650)
大陸合理論の確立、「自我」から始まる近代哲学の出発点=近代的自我
主著『方法序説』『省察』
・方法的懐疑……すべての知識や感覚を不確かなものとして疑うことによって、疑いえない確実な真理に到達する。「我思うゆえに我あり」
・演繹法…… 最初に確実な真理を示し、そこから個別の事例を判断していく
・実体を「考える自我」(精神・意識・思考)と「身体(物体)」(自然・物理的世界)の二つに大別(心身二元論、物心二元論)→機械的・物質的な自然観が確立(機械論的自然観)
④大陸合理論の展開
人間の認識は理性によるとする立場
スピノザ(1632~77)
主著『エチカ』
実体は神のみ。それ以外のすべては神のあらわれ(汎神論)
ライプニッツ(1646~1716)
宇宙はモナド(単子)から成立。モナド同士は独立→モナドの働きは、調和して秩序を作り出すよう神にあらかじめ定められている(予定調和)