❶ 経済統合の形態……自由貿易協定→関税同盟→共同市場→経済同盟の順で統合度は深化:自由貿易圏の拡大を目的
❷ FTA・EPAの拡大と日本が締結する貿易協定
FTA(自由貿易協定)……おもに2か国間での関税撤廃などをめざす協定
EPA(経済連携協定)……FTAよりも幅広い経済関係の強化を目的。資本や労働者の移動の自由化なども含む
FTAEPAいずれも、WTO(世界貿易機関)を補完するものとして、世界各地で締結が進む
TPP(環太平洋パートナーシップ)協定……環太平洋地域の12か国による多角的なEPA。原則的にすべての分野での関税撤廃、投資や知的財産権などに関するルールづくりをめざす。日本は2013年に交渉参加。2016年に署名
→2017年、アメリカがTPP離脱を表明→2018年、アメリカを除く11か国がCPTPPに署名・発効
日米貿易協定……TPPを離脱したアメリカとの間で締結され、デジタル貿易協定を含む(2020年発効)
RCEP(地域的な包括的経済連携)協定……中国・韓国との初めての貿易協定で、人口、経済規模は世界最大
(2022年発効)↔一方で、TPPほどの関税撤廃は実現せず、その割合は比較的低い
❸ 地域的経済統合
EU(欧州連合)……経済的統合、通貨統合を経て、最終的には政治統合をめざす。ヨーロッパの発展が目的
1967年:EC(欧州共同体)発足←ECSC、EEC、EURATOMを統合
1993年:EU(欧州連合)発足←マーストリヒト条約(欧州連合条約)調印(1992年)
1999年:単一通貨ユーロ導入……2002年からは市場に流通、各国通貨に代替する(一部の加盟国は除く)
2007年:リスボン条約調印(2009年発効)……EU大統領・EU外相を新設
2010年:ギリシャの債務問題が発生→欧州金融安定化基金を創設。財政危機の拡大防止を図る
・EUの金融政策:ECB(欧州中央銀行)が一元化↔財政政策:加盟国で不統一
②NAFTA(北米自由貿易協定、1994年)……アメリカ、カナダ、メキシコで構成→2020年、USMCAが発効
MERCOSUR(南米共同市場、1995年)……EUを目標にブラジルなど6か国で構成
APEC(アジア太平洋経済協力、1989年)……環太平洋の21の国・地域が参加
ASEAN(東南アジア諸国連合、1967年)……10か国が加盟→2015年にAEC(ASEAN経済共同体)が発足
・日本・中国・韓国による地域協力(ASEAN+3)やEAS(東アジア首脳会議)も開催