❶ 国際貿易の歴史
①重商主義(16~18世紀)……保護貿易主義の時代、国王による特権商人の保護
②自由貿易主義(19世紀)……産業革命により、工業化を達成した欧州諸国、アメリカに自由貿易が浸透
③ブロック主義(第二次世界大戦前)……世界恐慌を乗り切るために、宗主国が自国の植民地などで保護貿易を展開
④自由貿易主義(第二次世界大戦後)……ブロック経済の反省から、GATTおよびWTOの下で、自由貿易を推進
❷ 国際通貨制度の変遷
①金本位制(19世紀~20世紀初頭)……自国の通貨単位を一定の金と結びつけ、為替相場と物価を安定させる
→通貨の発行が制限され、不況時に自由な金融政策を行えないため、世界恐慌を機に放棄
②ブレトンウッズ体制(ⅠMF・GATT体制、第二次世界大戦後~1971年)
……ブレトンウッズ協定(1944年)で、ⅠMF(国際通貨基金)およびⅠBRD(国際復興開発銀行)を設立
・固定相場制を採用……戦前の為替切り下げ競争が第二次世界大戦を誘発したことへの反省
金1オンス=35ドルとし、ドルを中心に各国間の為替レートを決定(日本は1ドル=360円)
・ニクソン・ショック(1971年8月)……金・ドル交換停止。ブレトンウッズ体制崩壊
→スミソニアン合意(1971年12月)で一時的に固定相場制に復帰(金1オンス=38ドル、1ドル=308円)
・変動相場制に移行(1973年~)……為替レートを市場の需給関係に委ねる。キングストン合意(1976年)で正式承認
❸ 為替相場の変動と国際協調
①サミット(1975年~)……第1次石油危機に対応するため、G5の先進国首脳会議として初めて開催され、その後G7に。政治問題や経済問題、環境問題など、さまざまな議題を協議
・1998年以降はG8となり、主要国首脳会議と呼ばれる→2014年以降はロシアが参加を停止し、再びG7に
②G20(主要20か国・地域)による首脳会議(2008年~)……先進国だけでなく新興国も参加。国際経済を議論する中心的な場
❹ GATTからWTOへ
①GATT(関税および貿易に関する一般協定、1948年)……高関税による保護貿易が第二次世界大戦を誘発したとの反省から、関税引き下げによる自由貿易を促進→「自由・無差別・多角」を3原則とする
・おもなラウンド……ケネディ・ラウンド(平均35%の関税引き下げ)、
ウルグアイ・ラウンド(農業・サービス貿易・知的財産権も交渉対象に)
②WTO(世界貿易機関、1995年)……GATTの機能を強化し、国際機関として設立
・紛争処理機能の強化に特色がある→違反国に対する措置の決定にネガティブ・コンセンサス方式を採用