❶ 外国為替相場
外国為替相場……自国通貨と外国通貨との交換比率で、為替レートともいう。固定相場制変動相場制がある
②外国為替相場の決定要因
【為替相場の決定要因】
(1)各国の物価水準(購買力平価説)
「円高」になる要因……デフレーションが起きる
……インフレーションが起きる
(2)国際収支の動向
「円高」になる要因……経常収支が黒字(プラス)になる
「円安」になる要因……経常収支が赤字(マイナス)になる
(3)各国の金利水準(内外金利差)
「円高」になる要因……金利が上がる
「円安」になる要因……金利が下がる
(4)その他の要因
「円高」になる要因……経済成長率、景気動向などが改善
「円安」になる要因……経済成長率、景気動向などが悪化
→日本の国際収支や金利、物価、経済成長率、景気動向など、一国の経済状態を判断する基礎的条件をファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と呼ぶ
③戦後日本の為替相場の動向
・固定相場制から変動相場制へ……1ドル=360円の固定相場制
ニクソン・ショックで金・ドル交換停止(1971年)
変動相場制に移行(1973年)→キングストン合意(1976年)
プラザ合意(1985年)以降、円高基調……最高値は1ドル=75円台(2011年10月)→2020年代は円安の傾向に
→円高になると輸出が減少して、産業の空洞化などの問題が起こる
為替介入(外国為替平衡操作)……為替相場の乱高下を抑えるために、政府・日銀が自国通貨を売買する
❷ 円高と円安
【円高の影響】
輸出が落ちこみ、日本国内は不況になる(円高不況)
輸入製品が安くなり、日本国内の物価が下がる
・外貨預金による為替差損(ドル預金では損)が発生
・円の価値の上昇により、企業が海外に投資する
・海外旅行が安くなり、海外旅行客が増加する
【円安の影響】
輸出が伸び、輸出関連企業を中心に好況となる
輸入製品が値上がりし、国内品の競争力が高まる
・外貨預金による為替差益(ドル預金では得)が発生
・円の価値の下落により、日本への投資が増える
・日本への観光客が増加する