❶ 世界と日本の貿易の特徴
垂直的分業……先進国の工業製品と、発展途上国の原材料や部品などを貿易する分業体制
水平的分業……同程度に経済発展を遂げた国(おもに先進国)の間での工業製品を貿易する分業体制
〈世界の貿易〉
・21世紀に入り、中国の輸出だけでなく、新興国としての市場も発展し、輸入も拡大
・地域的経済統合や自由貿易協定に基づく貿易(EUやUSMCAなど)が拡大
・多国間での工程間分業によるグローバル・サプライチェーン(世界的供給網)の構築が進む
〈日本の貿易〉
・日本の輸出品の中心は機械類と自動車であり、貿易相手国は中国や東南アジアの割合が高まっている
❷ 貿易自由化の効果
・国内全体では自由化による利益が高まる
・一方、安価な輸入品の増加によって国内生産が減少したり、輸出の増加が国内消費を縮小させたりすることもある
❸ 日米貿易摩擦
・背景……戦後、日本の経済成長とともに輸出が拡大し、最大の輸出相手国であるアメリカとの間で輸出超過状態に
・経過……1950年代:繊維製品  1960年代:鉄鋼  1970年代:カラーテレビ  1980年代:自動車・半導体
アメリカでは1980年代に「双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)」が問題になり、貿易摩擦が過熱
・対策……1989年:日米構造協議  1993年:日米包括経済協議
→アメリカが日本に対して規制緩和や市場開放を求める
❹ 日中貿易の現状……2000年代後半に、中国がアメリカを抜いて日本の最大の貿易相手国に
・「世界の工場」としての中国に生産拠点を設ける日本企業も増加
・日中貿易や日本企業の中国進出にとって、政治的な摩擦がリスクとなる場合も