【Ⅰ 大日本帝国憲法(明治憲法)の政治制度とその特徴】
❶ 大日本帝国憲法(明治憲法)の制定(1889年発布)
……プロイセン憲法がモデル、欽定憲法・外見的立憲主義
❷ 大日本帝国憲法下の政治機構
・天皇-神聖不可侵。主権者で統治権の総攬者、広範な天皇大権
・権利-「法律の留保」(法律による権利制限)を伴う
・三権-立法=帝国議会(天皇の協賛機関)
行政=内閣(天皇の輔弼機関)
司法=裁判所(「天皇ノ名ニ於テ」行う裁判)
【Ⅱ 日本国憲法の制定】
❶ 日本国憲法の制定過程
・ポツダム宣言の受諾(1945年8月14日)
→マッカーサー三原則・GHQ案に基づく憲法改正案作成
→議会での審議→憲法公布(1946年11月3日)→施行(1947年5月3日)
❷ 日本国憲法の基本原理……①国民主権、②平和主義、③基本的人権の尊重
❸ 象徴天皇制……天皇は国の象徴、日本国民統合の象徴←地位は国民の総意に基く(第1条)
・天皇は内閣の助言と承認により、形式的・儀礼的な国事行為を行う(第3条、第4条、第6条、第7条)
❹ 憲法改正手続き……各議院の総議員の3分の2以上の賛成で改正を発議し、国民投票の過半数の賛成で成立
・2007年:国民投票法成立(2010年施行)。憲法改正への法的手続きが整う
・投票権は18歳以上の日本国民がもつ
・憲法改正の限界……主権者(国民)がもつ憲法制定権力および、憲法の三大基本原理を改変することはできない
❺ 憲法の最高法規性……憲法を国の最高法規とし、天皇・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員の憲法尊重擁護義務を定める(第98条、第99条)