❶ 資本主義経済の特質
・私有財産制度……生産手段(土地、機械、原材料など)の所有が認められている
・経済活動の自由……契約自由の原則の下で、私的な利潤の追求が行われる。市場経済における自由競争(自由主義)
❷ 資本主義の発展
①重商主義政策……資本主義初期の段階で展開された保護貿易の立場の経済政策
・土地の囲い込み運動(エンクロージャー)……多くの農民が土地を追い出され、賃金労働者になる
②産業資本主義……18世紀末のイギリスの産業革命により確立→工場制機械工業が発達
・自由放任主義(レッセ・フェール)の主張……アダム=スミス(著書『国富論』)などが代表者とされる
※ラッサールは小さな政府を「夜警国家」と呼び、これを批判
③独占資本主義……19世紀末、自由競争によって、少数の大企業だけが生き残る状態となる
→国外へも市場を求め、植民地の拡大を図る(帝国主義)
❸ 資本主義経済の変容
・世界恐慌……1929年にアメリカの株式市場が大暴落。「小さな政府」では、問題を解決できず
→F.ローズベルト大統領がニューディール政策を実施し、市場に積極的に介入
・修正資本主義経済……公的経済と私的経済が並存するため、混合経済とも呼ばれている
→ケインズ……有効需要の原理を提唱。積極的に市場に介入すべきだと説く→「大きな政府」
・大きな政府の弊害……財政赤字や物価上昇など。ケインズ経済学は有効な対策を打ち出せず
→フリードマン……財政赤字や市場機能の低下から、「小さな政府」への回帰を主張(新自由主義)
新自由主義的政策……1980年代のイギリス(サッチャリズム)、アメリカ(レーガノミクス)など
❹ 社会主義経済の特質と変容
・社会主義経済の特質……生産手段の社会的所有と国家による計画経済。マルクスが『資本論』で主張
・社会主義の変容……計画経済の停滞と混乱、生産性の低下→ソ連崩壊(1991年)、中国は社会主義市場経済を導入