【Ⅰ 政党政治】
政党の役割……政治上の主義・主張を同じくする人々が集まり、政権獲得をめざす政治集団。イギリスで発達
マニフェスト(政権公約、選挙公約)を示して選挙を戦う
・政党の変遷……19世紀:名望家政党→20世紀:大衆政党→20世紀後半:包括政党
❷ 政党政治の形態
二大政党制……単独政権となりやすく、政局が安定しやすい:アメリカ、イギリスなど
多党制……多様な意見を反映するが、連立政権となりやすく、政権が不安定化しやすい:フランス・ドイツなど
一党制………強力な政策実現が可能。民主的な政権交代が不可能で、独裁政治となる:中国・北朝鮮など
❸ 日本の政党政治
55年体制(1955~93年)……社会党の統一と保守合同による自由民主党の誕生による55年体制の成立
→自民党の長期政権
・細川非自民非共産連立政権(1993年)……55年体制崩壊。連立政権が主流に
・自民党中心の連立政権(1994~2009年)……自民党が政権を取り戻したが、自民党単独政権ではない
・民主党中心の連立政権(2009~12年)……衆議院第1党となった民主党を中心とした連立政権
・自民党中心の連立政権(2012年~)……2012年の衆院選で自民党が大勝し、政権に復帰

【Ⅱ 圧力団体と政治資金】
圧力団体(利益集団)……みずからに有利な政治的決定を引き出すために、行政や政党・政治家にはたらきかけを行う団体。政権獲得を目的とはしない↔アメリカではロビイストが政策に対して影響力をもつ
❷ 政治資金問題……政治家への企業献金と不透明なカネの流れが政治腐敗に(ロッキード事件・東京佐川急便事件など)
政党助成法の成立(1994年)→国民1人当たり250円を政党交付金に充てる
政治資金規正法の改正により、政治家個人への企業・団体の献金を禁止←金権政治の防止

【Ⅲ 選挙制度】
❶ 日本の選挙制度……公職選挙法で規定
・選挙権……日本国籍を有する満18歳以上の者
・被選挙権……満25歳以上(衆議院議員、都道府県・市町村議会議員、市町村長)
30歳以上(参議院議員、都道府県知事)
❷ 選挙の原則……普通選挙平等選挙直接選挙秘密投票・自由選挙
❸ 選挙運動に対する規定……戸別訪問の禁止、署名運動の禁止、ビラ・ポスターの制限、違反者には連座制が適用
❹ 国政選挙のしくみ……衆議院:定数465人の小選挙区比例代表並立制(小選挙区289人、比例区176人)
参議院:定数248人(選挙区148人、比例区[原則として非拘束名簿式]100人・特定枠あり)
❺ 有権者の政党離れ……有権者が特定の支持政党をもたない無党派層が増加

【Ⅳ 日本の選挙の課題】
一票の格差……選挙区定数と有権者数の不均衡←最高裁でも衆議院の選挙結果について2度にわたり違憲判決
・「一票の格差」の解消をめざし、衆議院の選挙に「アダムズ方式」を導入
❷ 有権者数の世代間格差……有権者は高齢者が多く、高齢者の意見が政治に反映されやすい「シルバー民主主義
❸ 投票率の低下……政治的無関心の拡大←対策:投票時間の延長や期日前投票の緩和、「ネット選挙」の解禁