302 ブレトンウッズ体制(p.344)
第二次世界大戦後の国際経済体制のために、1944年に発足した体制。ブレトンウッズ協定に基づき、国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(世界銀行、IBRD)が設立された。また、この時のIMF協定によって、各国は金1オンス=35ドルを基軸として、自国通貨の対ドル為替相場を固定する固定相場制が採用された。
303 国際通貨基金(IMF)(p.344)
通貨と外国為替相場の安定化を目的とした国際連合の専門機関で、1944年のブレトンウッズ協定により発足。IMFのおもな業務は、加盟国の出資金を原資として、経常収支が一時的に悪化した国への融資にある。
304 基軸通貨(p.344)
世界中で輸出入の支払いや金融取引などに使われる通貨のこと。基軸通貨は、国際取引の決済に一般的に使用され、各国通貨の交換にあたって、価値基準として用いられる。現在の国際通貨体制では、ドルが基軸通貨となっている。
305 国際復興開発銀行(IBRD)(p.344)
1945年、ブレトンウッズ協定に基づき、第二次世界大戦からの加盟各国の復興と開発のための貸し付けを目的として設立された国際金融機関。現在では、発展途上国に対する長期的な融資が主要業務となっている。
306 ドル危機(p.345)
1960年代に、ベトナム戦争に伴う軍事支出の増大や、第二次世界大戦直後から続く対外経済援助などによって、アメリカの経常収支が悪化した。これが原因でアメリカから金が流出し、金とドルとの交換の維持が困難になったこと。
307 ニクソン・ショック(p.345)
1971年、ニクソン米大統領がドルと金との交換停止を発表したことで、ドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制が崩壊したこと。
308 スミソニアン協定(p.345)
ニクソン・ショック(金とドルとの交換停止)による国際通貨体制の混乱を防ぐために、1971年12月にワシントンのスミソニアン博物館で締結された協定。金1オンス=38ドルにドルが切り下げられ、1ドル=308円の新しい円の対ドル為替相場が決定された。
309 キングストン合意(p.345)
1976年にジャマイカのキングストンで締結された協定。主要先進国は1973年にすでに変動相場制に移行していたが、変動相場制への移行に関する正式な承認が決定された。
310 特別引出権(SDR)(p.345)
IMF加盟国がIMFを経由して、他の加盟国から外貨を調達する制度。具体的には、IMFに特別引出枠を設け、加盟国にその出資額に応じて一定の割合で特別引出権を配分しておく。そして、借り入れが必要な場合には、SDRを外貨準備に余裕のある国に引き渡して必要な外貨を手に入れる。
311 プラザ合意(p.345)
1985年9月、ニューヨークのプラザホテルで開かれたG5(米、英、仏、日、西独)での合意。ドル高を是正し多額の貿易不均衡に対処するため、基軸通貨であるドルに対し、参加各国の対ドル為替相場を引き上げることを決定した。
312 GATT(関税および貿易に関する一般協定)(p.347)
保護貿易が第二次世界大戦を誘発したとの反省を受けて、各国間での自由貿易を促進し、その障壁となるものを国際間での交渉で取り除くために結ばれた国際協定。「自由」、「無差別」、「多角」を三原則として、関税の撤廃や輸入数量制限などの非関税障壁の撤廃に取り組んだ。
313非関税障壁(p.347)
関税以外の手段による輸入制限のこと。具体的には、輸入数量制限や、輸入課徴金といった輸入時の障壁や、工業規格などの国内流通時の障壁、政府による国内生産者に対する補助金などがある。
314 最恵国待遇(p.347)
条約や協定において、締約国の一方が他方に対し、通商・関税・航海などの事項について、最も有利な待遇を与えている第三国(最恵国)と同等の待遇を与えること。GATTでは、無差別原則の一つとして、各国に最恵国待遇を適用することを定めている。
315 一般特恵関税(p.347)
発展途上国から輸入する農産品や製品などの関税を低くするか無税にして、発展途上国の経済発展を支援するしくみのこと。国連貿易開発会議(UNCTAD)において、南北問題解決の一手段として制度化された。
316 セーフガード(p.347)
特定の産品の輸入急増によって、国内生産者が重大な損害を被った場合や、その恐れがある場合、緊急措置として、その産品の関税を引き上げたり、輸入数量制限などを行う制度。「緊急輸入制限」ともいう。WTOでは自由貿易の例外として認められている。
317 ウルグアイ・ラウンド(p.347)
1986年にウルグアイで交渉開始が宣言された、GATTの多角的貿易交渉のこと。従来のモノの貿易だけでなく、知的所有権の取り扱いから、サービス貿易の国際的取引の自由化、農産物の例外なき関税化に関する取り決めが行われた。
318 WTO(世界貿易機関)(p.347)
1995年にGATTを土台として発足した、貿易に関する国際機関。貿易障壁の除去による自由貿易推進のため、多角的貿易交渉の場を提供するとともに、国際貿易紛争を処理することを目的としている。