p222-236　労使関係と労働問題

第一次世界大戦後の1919年、ベルサイユ条約によって、国際連盟と提携する自治機関として発足し、現在は国連の専門機関となっている。労働条件の改善を通じて、世界中の労働者のために、社会正義を促進することを目的として設立された。

日本国憲法第28条で規定されているに労働三権の一つ。労働者が、使用者と対等な立場に立つために、労働組合を結成する権利。

労働者の賃金や労働時間、有給休暇など、労働条件の最低基準を定めた労働の基本法規。使用者は、この基準を下回る条件で労働者を使用することはできない。

労働者が業務上の事由などで負傷・病気・死亡した場合に、労働者災害補償保険法に基づいて、被災労働者や遺族を保護するために保険給付が行われる。使用者の負担する保険料で賄われる。

企業単位の労働組合。日本では第二次世界大戦後、工場や事業所ごとに労働組合がつくられ、世界でも稀な企業別労働組合中心の国となった。他の国では、企業の枠を越え、産業ごとに労働者を組織し、産業単位で労働条件を決める産業別労働組合が多い。

従業員が入社から定年まで、生涯一つの企業に雇用され続ける制度。年功序列型賃金体系とあわせて、従業員の安定雇用や生活を保障し、高度経済成長を支えてきた。

勤続年数や年齢が高くなれば、それに応じて役職や賃金も上昇していく制度。

パートタイム労働者の権利を守ることを目的として1993年に制定。パートタイム労働者の定義は｢１週間の所定労働時間が通常の労働者の所定労働時間に比べて短い労働者｣と定義されている。2018年の改正で、パートタイム・有期雇用労働法に名称変更された。

女子差別撤廃条約の批准に先立って1985年に制定された、雇用における男女差別を撤廃するための法律。現在では間接差別の禁止、妊娠・出産などを理由とする退職強要や配置転換の禁止、男女双方に対するセクハラ防止対策の義務化なども規定されている。

男女が対等なパートナーとして社会に参画することをめざして1999年に制定。積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を含む施策を国と地方公共団体の責務としている。

一つの仕事を多数で分けあうという考え方や政策のこと。１人当たりの労働時間を短縮し、より多くの人数で少しずつ働くことで、雇用確保および失業対策を目的に実施されることが多い。