p180-192 金融のしくみとはたらき

165 管理通貨制度(p.181)


政府の金保有量に関係なく、通貨が発行される制度。通貨発行量は物価や景気の動向にあわせて調整される。発行される紙幣は金と交換できない不換紙幣である。

166 間接金融(p.181)


家計がいったん金融機関に預金し、その後、金融機関が企業に貸し出したり、国債を購入したりすることによって資金を融通する方式。一方、金融機関を経由しない方式は直接金融という。

167 コール市場(p.181)


金融機関が一時的な資金の過不足を調整するために短期で貸借を行う市場。コール市場の金利(コールレート)は日銀の政策金利となっている。

168 信用創造(p.183)


預金業務・貸出業務を行う銀行が、貸し出しと預金を繰り返すことで、当初の預金額の何倍もの融資額を生み出す機能。

169 護送船団方式(p.185)


第二次世界大戦後、大蔵省(現財務省)が行ってきた金融行政の方式。経営基盤が劣る弱小の金融機関が倒産しないように、金融業界全体の存続を図った。

170 金融ビッグバン(p.185)


1996年に発表された金融自由化政策で、金利の自由化、業務の自由化、金融の国際化を推進する政策をさす。これにより、銀行・証券・保険の相互参入が可能となり、金融機関の再編が一気に進んだ。

171 不良債権問題(p.186)


不良債権とは、金融機関が融資した貸出金のうち、回収が困難になった債権をいう。バブル経済崩壊後、担保の土地や株が値下がりしたため、日本の多くの金融機関が巨額の不良債権を抱え、問題となった。

172 BIS規制(p.186)


国際決済銀行(BIS)が銀行経営の健全性を示すために定めた自己資本比率に関する国際基準。自己資本比率が低いと経営に不安がある。BIS規制では国際業務をする場合、この比率を8%以上にすることが求められる。

173 ペイオフ(p.187)


金融機関が経営破綻した場合、預金の元本1,000万円までとその利息を、預金保険機構が払い戻すこと。金融不安の高まりを受けて、1996年に政府が預金を全額保護するようになったが、2005年にペイオフが再開された。

174 日本銀行(p.188)


日本の中央銀行。発券銀行、政府の銀行、銀行の銀行という3つの機能をもつ。金融政策を通じて物価の安定や景気調整などを行う。

175 公開市場操作(オペレーション)(p.188)


中央銀行が国債や手形などを公開市場で売買することによって通貨供給量を調節する金融政策。不況期には、日銀は国債や手形を買う(買いオペレーション)。景気過熱期には、日銀は国債や手形を売る(売りオペレーション)。現在の金融政策の代表的なものである。

176 マネーストック(p.189)


家計や企業が保有する通貨量の残高。政府や金融機関が保有する現金・預金は含まない。従来のマネーサプライから変更された。

177 量的緩和政策(p.189)


1999年にゼロ金利政策を導入しても景気が回復しなかったため、2001年、日本銀行が新たに始めた政策。これは日銀当座預金(日銀と民間金融機関の取引に使われる口座)の残高を、買いオペなどにより増額し、これにより、金融機関に潤沢な資金を供給し、景気刺激を図る政策である。