137市場の失敗(p.150)
自由な競争が行われる市場において、市場機構がうまくはたらかずに、資源配分がうまくいかないこと。公害など市場を通さずに他の経済主体に悪い影響を与える外部不経済や、公園や警察など、市場にまかせておいても供給されない公共財の存在、市場参加者が少数であるために、資源の最適な配分が行われない独占や寡占などがある。
138寡占(p.150)
一般的に少数の大企業からなる市場を意味する。寡占市場では、企業間の価格競争が著しく減退し、広告などの非価格競争を行うようになる。また、同一産業内で価格支配力をもつものが価格先導者(プライス・リーダー)として、管理価格を形成し、それに従う価格追随者が現れることもある。
139カルテル(企業連合)(p.150)
同一産業内の複数の企業が生産量や価格について協定を結ぶこと。価格競争が行われなくなるため、独占禁止法で禁止されている。
140価格の下方硬直性(p.151)
独占や寡占市場において、価格競争が行われず、商品の価格が高止まりしてしまう性質のこと。
141管理価格(p.151)
寡占市場において、需給関係やカルテルによってではなく、価格支配力をもつプライス・リーダーによって暗黙のうちに決定された価格。他の企業もその価格に追随する。
142非価格競争(p.151)
企業の競争が価格以外で行われること。寡占市場で行われることが多い。広告や宣伝、デザインなどの他社との差別化、アフターサービスの充実などが代表的な非価格競争の例である。
143独占禁止法(p.152)
1947年、GHQによる戦後の経済改革の一環として制定された法律。公正かつ自由な競争の推進、一般消費者の利益の確保、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。
144公正取引委員会(p.152)
独占禁止法を運用するために設置された行政委員会。委員長と4名の学識経験者で構成され、準立法的、準司法的な権限が与えられている。独占禁止法に違反する行為は、審査のうえで行政処分を科すことができる。
145電子商取引(p.153)
パソコンやスマートフォンを使って、インターネット経由で行われる発注や決済などの商取引のこと。e-コマースといわれる。企業には、業務の効率化や調達・流通などのコストが削減できるというメリットがある。
146公共財(p.154)
多くの人が同時に利用可能でなくてはならず(非競合性)、また、特定の人の消費を排除できない(非排除性)という性質をもつ財・サービスのこと。民間企業によっては供給されにくいため、政府によって供給される。
147環境税(p.156)
環境に負荷を与える商品に課せられる税金。大気汚染や温暖化を防止する目的で石油や石炭などの化石燃料に課せられる炭素税が代表的。日本でも2012年に地球温暖化対策税が導入された。