p29-37 日本国憲法の成立と基本原理

24 欽定憲法(p.29)


君主主権の思想に基づいて、君主によって制定された憲法をいい、大日本帝国憲法やプロイセン憲法がこの代表である。これに対して、国民主権の思想に基づいて、国民によって制定された憲法を「民定憲法」という。

25 天皇大権(p.29)


日本帝国憲法の規定で保障された天皇の政治上の権限で、統治権のほかに、国務大権、統帥大権(軍の最高指揮権)、皇室大権(憲法によらず皇室典範で規定)に分類される。

26 法律の留保(p.29)


法律によって国民の権利を制限することができるという考え方。大日本帝国憲法では「法律の範囲内」でのみ臣民の権利が認められていた。

27 ポツダム宣言(p.31)


1945年7月26日、連合国側が米・英・中の名で、日本政府に軍の無条件降伏を促した文書。日本に軍国主義の排除と民主主義的傾向の復活を促し、その受諾を要求した文書である。

28 連合国軍総司令部(GHQ)(p.31)


ポツダム宣言に基づき、日本の占領・管理のために設置された。アメリカのマッカーサーを総司令官として、11か国により構成されていた。

29 国事行為(p.34)


天皇が、国家機関として行う行為。その行為は、名目的・儀礼的・形式的なもので、内閣の助言と承認を必要とする。具体的な内容は、日本国憲法第6条と第7条に明記されている。

30 憲法改正手続き(p.35)


日本国憲法第96条に規定があり、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成で憲法の改正が承認される。国民投票の手続きに関しては、2007年に制定された国民投票法に定められている。

31 硬性憲法(p.36)


条文の改正に関して、法律の改正要件よりも厳格な要件を設ける憲法のこと。日本国憲法も硬性憲法にあたり、世界各国の成文憲法の多くは硬性憲法である。

32 憲法審査会(p.37)


2007年の国民投票法の制定に伴い設置された組織。これまで憲法の広範かつ総合的な調査を行ってきた憲法調査会を引き継ぐ。衆参両院に設置され、改正原案の国会への提出権限を有する。