p17-28議会制民主主義と世界の政治体制

16 直接民主制(p.17)


国民みずからが直接、国家意思の形成に参加する制度。現代の国家では事実上不可能であるが、国民発案・国民投票・解職請求など、間接民主制を補完するものとして一部採用されている。

17 議院内閣制(p.19)


議会(下院)の信任に基づいて内閣が政治を行う制度。内閣は議会に対して連帯責任を負う。内閣には議会の解散権があり、議会には内閣不信任決議が認められている。通常、内閣総理大臣は下院第一党の党首が議会によって選ばれ、主要閣僚は下院議員で構成される。

18 大統領制(p.19)


国民から選出された大統領が、議会から独立した形で強大な権力(行政権)を背景に政治を行う制度。アメリカのように大統領が行政を担当する場合と、フランスのように大統領の指名した首相が内閣を組織する場合などがある。

19 民主集中制(p.19)


権力分立を否定し、党や議会に全権力を集中させるしくみ。社会主義国がこの制度を採用してきた。現実的には、議会は国民の意思を代表することがなく、共産党の一党独裁政治が行われた。

20 軟性憲法(p.20)


通常の法律と同様の手続きによって改正が行われる憲法のこと。

21 社会主義(p.26)


生産手段の私有と自由競争という資本主義社会の原則を批判して、生産手段の社会的所有、計画的な生産と平等な分配を要求する思想と運動、または、そのような社会体制のこと。

22 全国人民代表大会(p.26)


中国の立法機関(全人代)。一院制の国会に相当し、人民法院・人民検察院も全人代の下にある。また、すべての国家機関は中国共産党の指導の下にある。

23 開発独裁(p.26)


発展途上国が経済的繁栄を遂げる手段として、政治的安定を確保するために、国民の政治的自由を制限し、軍事独裁を正当化する政治体制。1970年代の東アジアは、この体制で経済成長を遂げた。政権の長期化などに伴う弊害も多い。