6 自然権(p.10)
人間が生存するために、根源的にそなわっている権利のこと。社会契約説を展開するうえで、重要な概念。
7 王権神授説(p.10)
王権は神から授けられたもので絶対不可侵であり、いかなるものの反抗も許さないとする政治理論。
8 社会契約説(p.11)
「自然状態」にある人々が、互いに契約を結ぶことによって、社会や国家が成立するという考え方。イギリスのホッブズが最初に唱え、イギリスのロック、フランスのルソーがそれぞれ異なる社会契約説を展開した。17~18世紀の市民革命の理論的背景となった。
9 法の支配(p.12)
専制君主が恣意的に人民を支配する「人の支配」に対抗する考え方。「法の支配」は、人民の意思に基づいて制定された法が、権力者を含めて国家全体を支配するという考え方であり、市民革命期に主張された。一方、法治主義は、政治の形式・手続きの適法性を問うのみで、必ずしも法律の内容や正当性を問わない。
10 権利章典(p.14)
1688~89年の名誉革命によって王位についたウィリアム3世とメアリ2世が、議会の議決した「権利宣言」を認め、法律として発布したもの。「王は君臨すれども統治せず」の立憲君主制の基本的原則を確立した文書である。
11 自由権(p.14)
「国家からの自由」と呼ばれる権利で、国家から強制・制約なしに、個人で物事を決める権利の総称。この権利は基本的人権の中核的な地位を占める。
12 アメリカ独立宣言(p.14)
アメリカの植民地政府が、イギリスから独立することを宣言した文書。ロックの思想が色濃く反映されており、自然権や抵抗権など民主主義の基本思想が、国家レベルで明確に規定された世界最初の文書である。
13 フランス人権宣言(p.15)
フランス革命の根本理念である、「自由・平等・友愛」の精神が明らかにされた文書。国民主権、人権の不可侵、所有権の保障、権力分立などが規定されている。
14 ワイマール憲法(p.15)
第一次世界大戦の敗戦国であるドイツが、共和国として再生するにあたって採択した憲法。この憲法は、生存権・労働権などを含む社会権の規定を盛りこんだ画期的なものであった。
15 社会権(p.15)
19世紀以降、資本主義の発展に伴って生じた失業、貧困などの問題に対して、社会的弱者の保護など、国民が人間らしく生活できるように保障される権利。国民の実質的平等を保障するために、国家の積極的介入(積極国家)を要求する点で、自由権とは異なる。