p343-347国際経済機関の役割
ブロック経済圏は、おもにイギリスやフランスなどと、それぞれの植民地の間で形成された。しかし、両国のように植民地をもたず経済基盤が弱かったドイツやイタリアでは、海外侵略によって自国の利益を拡大しようとするファシズムが拡大する要因の1つとなった。また、各国が保護貿易を行ったため、世界経済全体の規模が縮小した。
GATTは貿易に関する障壁を撤廃することで世界での貿易の拡大を図り、IMFは通貨・金融面で世界での貿易の拡大を図ることを目的とした。
アメリカのドルが金と交換可能な唯一の通貨になることで、ドルの供給が増えれば増えるほどドルの信用が低下する「流動性のジレンマ」が生じた。アメリカの金保有量が減少の一途をたどり、金との交換に裏づけられた固定相場制を維持することが困難になったため変動相場制に移行した。
グローバル化がますます進み、経済だけでなく、環境問題や安全保障問題などを単独の国家だけで解決することが困難になり、国際協調のもとで取り組む必要が生じたため。
G20については、2000年代後半の世界的な金融危機を契機に枠組みが生まれたが、新興国の台頭を受けて、より多国間での枠組みで課題解決にあたる必要性が生じてきている。
両者の違いは、そもそもGATTが協定であるのに対して、WTOは国際的な組織になっている。また、時代に合わせてサービス貿易や知的財産等への対応もWTOでは行われるようになった。また、違反国への報復措置についても違いがある。