p38-66基本的人権の保障
憲法に規定されているのは、平等権、自由権、社会権、参政権、請求権である。
憲法に直接規定されていなくても、新しい人権として認められるものもある。例えば、プライバシーの権利や肖像権などがある。
固有性、普遍性、不可侵性の3つの性質がある。
人権どうしが衝突する場合には、公共の福祉のために必要な範囲について人権が制限されることもある。
基本的人権を保障する前提として、個人の個性を理由に法によって差別されないこと。
明治憲法の時代には華族制度があり、男尊女卑の制度も多くみられた。
女性を差別しないだけでなく、男性と平等になるように施策を講ずることなどがある。
夫婦の不公平感がなくなるという賛成意見がある一方、別姓によって家族の一体性が損なわれるとする反対意見がある。
女性の多くが改姓している実態を認めて、旧姓の通称使用の制度を普及させるべきという意見もある。
戸籍がないことで、住民票などが原則的に作成されず、福祉の対象とされない可能性が高くなる。
全国の法務局に無戸籍相談窓口があり、国籍取得のための支援をしている。
他の人権との衝突で制限する必要があっても、精神的自由の制限は最小限にするように定めている。
精神的自由と経済的自由が衝突したときには、精神的自由が優先される(二重の基準)。
国家権力が刑罰権を濫用して人権侵害をしてきた歴史を踏まえて、詳細な規定が設けられた。
刑罰権の行使だけでなく、行政権の行使においても手続き的保障は必要とされている。
物を自由に所有し、契約を自由にし、経済活動を自由にできることで、資本主義経済は機能するから。
国家は、国民に対して健康で文化的な生活を保障する義務があり、具体的な法律を通して生存権を実現する。
生存権は抽象的に保障されたものであり直接請求できないが、国が裁量権を逸脱したときには司法審査の対象になる。
子どもが成長し、発達するだけでなく、国民全員が必要な学習をすることで豊かな生活ができるから。
国民が学習する権利とする説のほかに、主権者形成に資する教育内容を要求する権利とする説もある。
私人間の契約に直接介入して、労働基本権の保障をすることができるようにするため。
労働基本権の侵害する契約は無効とするなど、労働者の権利が確保されるようになっている。
国民、市民、住民として、国または地方自治体の政治に参加する権利である。
政治参加には、議員の選挙権のほかに、被選挙権や国民(住民)投票などが含まれる。
国家賠償を求めたり裁判を受けるようにしたりして、人権をより確実に保障するため。
国民の利益に資するところから受益権とも呼ばれる。