●自然法(→p.70,86) あらゆる時代のあらゆる社会を通じて,拘束力をもつと考えられる普遍的な性質をもつ法。これに対して,人為的に定めた法を実定法という。
●自然権(→p.70) 人間が生きていくために根源的に備わっている権利のこと。社会契約説を展開する上で,非常に重要な概念となった。ホッブズは自己保存権を,ロックは財産権を,ルソーは自由権・平等権を強調している。
●法の支配(→p.70) 権力者による支配(人の支配)を排除して,権力者といえども法には服さなければならないとする考え方。中世以来のイギリス法の原理である。
●法治主義(→p.70) 国家権力の行使は,議会で定められた法律に従わなければならないとする考え方。ドイツで発達した考え方で,法の妥当性が必ずしも「法の支配」に比べて厳密ではない。
●権力分立(→p.71) 権力を異なる機関に分けて,均衡と抑制の関係を構築することで権力の濫用を抑制するしくみ。ハリントン(1611~77)が著書『オセアナ』において,はじめて唱えた。
●立憲主義(→p.72) 国民の自由や権利を保障することを目的として,国のあり方を決める憲法をつくり,憲法に基づいて政治権力が行使されるべきであるとする考え方や政治制度のことをいう。近代立憲主義は,フランス革命などの市民革命によって確立した。立憲主義に基づく憲法には,基本的人権の保障や権力分立の規定がある。