●アンガージュマン(→p.57) サルトルの概念で,状況参加,社会参加を意味する。アンガジェは動詞型。サルトルによれば,私的な行為であっても,その行為を選択することは,全人類との1つの関わりを選択することであり,それに対して責任をもたなければならないという。
●男女共同参画社会基本法(→p.59) 1999年公布・施行。男女共同参画社会とは,男女が社会の対等な構成員として,均等に政治的,経済的,社会的および文化的利益を享受することができ,かつともに責任を担うべき社会のこと。この基本法に基づき,2000年に基本計画が策定された。
●ジェンダー(→p.59) 生物学的な性(セクシュアリティ)に対し,社会的・文化的に形成された性。女性を差別する男性優位社会は,社会的・文化的につくられたものであり,生物学的性に起因するものではない。
●アファーマティブ・アクション(→p.59) 積極的格差是正措置などと訳される。社会的弱者の地位向上のため,結果としての平等を実現するため,教育や雇用において特別枠を割り当てるなどの措置をとること。ポジティブ・アクションともいわれる。
●プラグマティズム(→p.61) 19世紀後半から20世紀にかけて,イギリス経験論の伝統と未知に挑戦するアメリカ開拓者精神とが,ヨーロッパにはないアメリカ独自の哲学を生み出した。「pragma」はギリシャ語で「行為」を意味し,その思想は,実際の生活に根ざした知識や審理を探究しようとするところに特徴がある。
●フランクフルト学派(→p.61) 1930年代にフランクフルト大学社会研究所に集まったホルクハイマー(1895~1973)を中心とする人々。ヘーゲル,マルクス,フロイトの思想を軸に,近代社会が理性を失って道具化していると指摘し,批判的理論を構築した。ナチスの台頭によって,彼等は亡命を余儀なくされたが,戦後,1950年に再建された。第一世代がホルクハイマー,アドルノ(1903~69),フロム(1900~80),マルクーゼ(1898~1979), 第二世代がハーバーマス(1929~)らである。