p320-324 用語解説

南北問題(→p.321) 1959年,イギリスのフランクス卿が「富める北の国々と貧しい南の国々との格差を放置すれば,いずれ世界経済は深刻な南北対立に巻き込まれる」と指摘したことが,南北問題の最初とされる。

南南問題(→p.321) 1973年の石油危機以後,発展途上国において,産油国などの資源をもつ国と資源をもたない国との経済格差が拡大し,新たな課題となった。

資源ナショナリズム(→p.321) 自国の天然資源の所有・開発・利用について,恒久主権が存在するという考え方。発展途上国は,長年,先進国の多国籍企業などに自国の資源の生産や販売の権利を支配されてきた。しかし,1962年の国連総会で「天然資源の恒久主権」が発展途上国にあることが確認され,資源を自国の利益のために利用しようとする動きが強まった。資源国の組織として,OPEC(石油輸出国機構)などが結成された。

ODA(政府開発援助)(→p.323) 発展途上国の経済や社会の発展,国民の福祉向上,民生の安定に協力するためにおこなわれる政府ベースの経済協力のことで,①政府ないし政府の実施機構によって供与されること,②発展途上国の経済開発や福祉の向上を目的とすること,③資金協力については,供与条件が発展途上国にとって負担とならないこと,といった要件を満たすものをさす。