p308-311 用語解説

リーマン・ショック(→p.309) アメリカの投資銀行大手リーマン・ブラザーズが,2008年に経営破綻したことをきっかけに生じた金融危機。アメリカの住宅バブル崩壊によって,莫大なサブプライム・ローン関連の損失が発生したことが原因であるが,世界中の金融機関が互いに疑心暗鬼に陥り,金融機関同士の資金融通がストップしたことで混乱に拍車がかかり,世界的な金融危機に発展した。

改革開放政策(→p.310) 1978年,鄧小平によって決定された,市場主義の導入と外資導入をおもな内容とする経済政策。具体的には,人民公社の解体,生産請負制の導入,郷鎮企業の育成,経済特区の設置などの政策が実施された。その後も市場経済化が進められ,中国は2001年にWTOに加盟を果たし,「世界の工場」へと躍進した。

産業の空洞化(→p.311) 円高や貿易摩擦などのために,輸出産業の海外での現地生産が進んだ結果,それに対応して,国内における生産や雇用が減少すること。背景には,国内労働者の賃金が相対的に高いのに対して,海外,特にアジア地域の労働者の賃金が相対的に低いという事情がある。また,最近は,日本の国際的に見ても高い法人税やさまざまな規制の存在も原因になっているともいわれている。