●比較生産費説(→p.299) 経済学者リカードが提唱した自由貿易を基礎づける考え方。2国間で,それぞれの国が相対的に低い生産費で生産できる財(比較優位をもつ財)の生産に特化し,ほかの財を相手国から輸入することで,それぞれより多くの財を消費でき,相互に国際分業の利益を得ることができるとする。
●GATT(関税および貿易に関する一般協定)(→p.300) 1930年代の世界恐慌と,それにともなう保護貿易主義が第二次世界大戦の一因となったとの反省をふまえ,戦後,自由貿易を促進するために結ばれた協定。自由・無差別・多角交渉を原則とする。GATTは,1995年にWTO(世界貿易機関)に引き継がれた。
●WTO(世界貿易機関)(→p.300) ウルグアイ・ラウンドでの合意によって,1995年にGATTを発展・解消させて成立した。GATTが協定に留まったのに対し,WTOは機関である点に根本的な違いがある。協議対象を物品貿易だけでなく,知的財産権やサービス貿易も含め,さらに紛争処理能力を強化した点に特色がある。