p258-264 用語解説

価格の自動調節機能(→p.259) 需要量より供給量が多いと「売れ残り」が生じ,価格は下がる。反対に,供給量より需要量が多いと「品不足」となり,価格は上がる。このように,需要量と供給量に応じて,価格が上がったり,下がったりすることにより,最終的に需要と供給は一致する。価格のこうしたはたらきを,価格の自動調節機能という。

管理価格(→p.262) 価格が,市場機構によってではなく,企業の独占力によって,人為的に設定される価格をいう。一般的には,業界トップの企業がプライス・リーダーとなり,価格を決定し,ほかの企業がその価格に追随して価格を形成する。

価格の下方硬直性(→p.263) 価格が一度設定されると,その水準以下に下がりにくい性質をいう。一般的に,寡占市場においては,大企業がプライス・リーダーとなって市場機構が機能しにくくなり,生産費が下がっても,価格が下がりにくい状態が見られる。

公共財(→p.264) 国防,灯台の光,無料で使える公園などのこと。民間企業が提供しないため,政府が供給するべきだとされている。公共財は,企業が提供する私的財とは異なり,使用料などの対価を支払わずとも利用できる。このような性質を非排除性という。また,公共財は,同時に多数の人々が利用できる非競合性をもつ。たとえば,灯台の光は料金を支払わずとも利用できる。また,同時に多数の人が利用できる。このような2つの性質をあわせもつ公共財を純粋公共財という。

外部経済(→p.264) 「近くに駅ができたために,住民の生活が便利になった」という例に見られるように,ある経済主体の行為が,取り引きとは関係のない第三者にプラスの影響を与える場合,これを外部経済という。

外部不経済(→p.264) 公害や環境破壊などのように,ほかの経済主体にマイナスの影響を与えるものをいう。こうした問題は,市場機構では解決できないため,法規制など政府の役割が重要になる。