p124-135 用語解説

公職選挙法(→p.125) 国会議員ならびに地方公共団体の議会議員と首長の選挙について,その選挙権・被選挙権,選挙区の区割り・定数,投票・開票の手続き,選挙運動,争訟および罰則を定めた法律。選挙事務の管理は中央選挙管理会や地方公共団体の選挙管理委員会がおこない,戸別訪問や18歳未満の選挙運動の禁止・選挙ビラの配布制限など,選挙運動を制限している。

連座制(→p.125) 秘書や親族など,選挙の候補者と一定の関係をもつ者が買収など選挙違反をした場合,候補者がかかわっていなくても,当選が無効となること。

拘束名簿式比例代表制(→p.126) 政党が順位をつけた候補者名簿を提示し,有権者は名簿を届け出た政党に投票する。各政党の得票に基づいて,当選人数が比例分配され,各党の当選人の数に相当する名簿順位までの候補者が当選人となる制度。有権者の選択を認めないので,拘束名簿式といわれ,衆議院の比例代表で用いられている。参議院は,原則,非拘束名簿式比例代表制であり,投票用紙に候補者名と政党名のどちらを書いてもよい。

特定枠(→p.127) 参議院比例代表は非拘束名簿式であるが,一部,政党が名簿上位に記載した特定の人物を先に当選させる。

一票の価値の不平等(議員定数の不均衡)(→p.128) 議員定数に対する有権者数の割合の格差が選挙区によって著しく,有権者が行使する一票の価値に軽重がある状態をいう。最高裁は,衆議院議員の定数について,1976年と1985年の2回,違憲判決を出したが,選挙そのものは有効とした。また,参議院については,その独自性が認められ,合憲判決が出されている。なお,国会の裁量の範囲であるという「違憲状態」判決は,衆参両院で出ている。

55年体制(→p.130,132) 1955年に左右社会党の再統一と,保守合同で結成された自由民主党の両党の二大政党制のこと。しかし,現実には自民党の一党優位に野党第1党の社会党などの野党勢力が対立する,1.5大政党制ともいわれる状況であった。自民党の長期単独政権が続いたが,1993年の日本新党をはじめとする細川連立政権の成立で,55年体制は崩壊した。