②よりよく生きる行為者として活動するために
1 古代ギリシャの思想家たち
①ソクラテス
●無知の知……自分が無知であることを自覚することが,知の探究に不可欠
●魂への配慮……対話を通して心理を探究することは,自分の魂をよりよいものにし,よく生きるために不可欠
②プラトン
●イデア……永遠不変で完全な存在,現実にある事物の原型
●エロース……イデアへのあこがれ,哲学・アナムネーシス(想起)の原動力
③アリストテレス
●観想(テオーリア)……真理を思い描き,探究すること。観想的生活が最高の幸福
●知性的徳……善悪や適切さを見いだし,判断する能力
●倫理的徳……適切さを習慣づけることで身につく中庸(メソテース)を維持する能力
●正義……全体的正義(ポリスの法を守る)と部分的正義(場面ごとの公平さの実現)
2 中国思想
①孔子
●仁……家族的な親愛の情を基本とする愛。忠恕(思いやり)・孝悌(親・祖先,兄弟に対する情愛)
●克己復礼……感情や欲望を抑えて,仁が外面に現れ出た礼(社会規範)に従うこと
②孟子の性善説……人は四端という善の素質を生まれながらにもち,それを育てると徳が完成→王道政治
③荀子の性悪説……人間の本性は利己的で嫉妬心をもつという考え方。礼(社会規範)を教育することで,悪である本性を矯正すべき→礼治主義
④老子 無為自然……人為を廃し,自然の道に素直に従うこと
⑤荘子 万物斉同……すべては善悪の対立や美醜のような区別をこえた,本来1つで等しいものであるという考え方
⑥朱子
●性即理……人間のもって生まれた本性が理→道徳規範の根拠・原理
●居敬窮理……情や欲を抑え慎つつしみ(居敬),物事の理を学問によって究める(窮理)こと→天の理を体得
⑦王陽明
●心即理……理は事物にはなく,心にこそ存在するという考え方。心と実践は切り離せない(知行合一)