③人種・民族問題と地域紛争
1 人種・民族問題と地域紛争
①地域紛争……一つの国,あるいは複数の国家にまたがった特定の地域で起こる紛争(=局地紛争)
●紛争の原因……政治的・経済的対立のほか,人種・民族・宗教・領土などを要因として起こる
●消えぬ戦火
冷戦時代:米ソの代理戦争(例:朝鮮戦争,ベトナム戦争など)
冷戦後:民族対立・宗教的対立などの原因がめだつ(例:ルワンダ内戦,チェチェン紛争など)
②人種・民族問題……多民族国家において,複数の人種・民族が存在することから生じる問題
●人種……遺伝的身体の形質(皮膚色・毛髪色など)に基づく人の集団の分類
●民族……おもに文化的要素(言語・習俗・宗教など)に基づく分類
「同じ仲間」という帰属意識(アイデンティティ)をもつに至る←歴史的・政治的過程で形成される
→民族対立による紛争を生むことがある
●国家と人種・民族の不一致……ユーゴスラビア問題 ,アフガニスタン問題 ,クルド民族独立問題
●人種・民族による差別……黒人差別(アメリカ・公民権運動),アパルトヘイト(南ア共和国・現在は法的に撤廃),ホロコースト(ナチス・ドイツによる人種差別主義)
③新しい民族問題
移民:所得や教育などの経済的要因から,みずからの意思で祖国を離れた人々(例:出稼ぎ)
難民:紛争などにより,政治的な自由を求めて祖国から逃れざるをえなかった人々
→難民問題解決のため,「難民の地位に関する条約」(1951年),UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)設置
冷戦終結後に,人種・民族問題が顕著←既存の紛争とは異なり,国家の解決能力が作動しにくいため