22日本の自然と災害
■日本の地形
●変動帯に位置する日本列島…地震や火山が多い
➡火山は美しい景観や温泉,再生可能エネルギーとして注目される地熱発電などの恵みをもたらす
➡活発な地殻変動…圧縮する力が局所的な地盤の隆起と沈降をもたらし,複雑な地質構造をつくり出す
➡高山に降った雨や雪は急流となって山地を侵食し,その土砂が下流部に堆積して扇状地や氾濫原,三角州などを形成
➡山地では,急流河川を利用した水力発電が行われており,人々の生活を支えている
■日本の気候
❶南北に細長い国土…亜熱帯から冷帯(亜寒帯)まで,さまざまな気候が見られる
❷明瞭な四季…夏は小笠原気団,冬はオホーツク海気団など,季節ごとに寒暖乾湿の性質が異なる気団の影響を受ける
❸背骨のように連なる標高の高い脊梁山脈…太平洋側と日本海側で気候が大きく異なる
❹豊富な降水…梅雨前線や秋雨前線,台風の影響を受け降水強度(単位時間あたりの降水量)が大きい
➡河川の氾濫などにより,しばしば洪水が発生
■日本の主な自然災害とその対策
●地震や火山噴火は自然現象である。無人島で火山が噴火しても災害とはならず,人々に被害が及んだときに災害となる
<地震>
海溝付近で発生するプレート境界地震と,活断層が引き起こす活断層地震がある
・地震の予知はできないため,日ごろから防災意識を高める
・家具の固定などの耐震対策や,緊急地震速報を活用する
<津波>
プレート境界地震にともなって発生することが多い
・ 震源によっては地震発生後わずかな時間で津波がやってくるため,高台や津波避難なタワー・ビルに逃げることが大切
<火山噴火>
噴火の前兆現象によって予知できる可能性があるが,前触れなく噴火することもある
・ハザードマップで避難場所・経路を確認
・登山の際には,火山シェルターの場所を確認
<台風>
初夏から秋にかけて発生する。進路や風雨の強くなる時間帯など,予測精度は向上している
・台風が接近する前に避難準備などをしておくことが大切
・マイ・タイムラインをつくることも有効
<洪水>
梅雨前線や台風,線状降水帯の発生などによる集中豪雨が原因となることが多い
・ ハザードマップで河川の位置や起こりうる災害,避難場所・経路をあらかじめ確認
<高潮>
台風接近時に,満潮時刻と風向きが要因となり被害が生じることが多い
・気象情報に注意してその発生を事前に把握し,避難する
<土砂災害>
大雨が降ったときや地震が起こったときに発生しやすい
・ ハザードマップで土砂災害が発生しやすい場所や避難場所・経路を確認,土砂災害警戒情報に注意する
<豪雪>
近年,短時間に大雪が降ることが多く,雪の重みで家屋が倒壊したり,雪崩が発生したりしている
・高速道路で自動車が立ち往生するなど,交通や物流にも影響を及ぼすこともあるため,天気予報に注意する