20オセアニアの暮らし
■オセアニアの自然環境
❶地形
・一国一大陸…プレートの運動により,ほかの大陸と早い段階で分離した
➡カンガルーやコアラに代表される有袋類など,独自の進化を遂げた動植物が多い
・大鑽井盆地…井戸を掘ると汲み上げなくても地下水が自然と湧き出る自噴井が見られる
➡水は塩分を含んでいるため農耕に適さず,牛や羊の飲み水として利用
・グレートバリアリーフ(大堡礁)…世界最大のサンゴ礁。世界自然遺産に登録
➡近年では気候変動などにより,サンゴが白化して死んでしまう現象が問題に
・ニュージーランド…変動帯に位置し,地震や火山が多く,地熱発電所もある。南島の西岸にはフィヨルドが見られる
❷気候
・南半球…北半球と季節が逆 ➡クリスマスは真夏
・オーストラリア内陸部…アウトバックと呼ばれる。乾燥気候が卓越し,砂漠が広がる
■オセアニアの産業
❶農業
・オーストラリア…国土は広いが人口が少ないため,1人あたり農地面積がきわめて大きい
➡大型機械を使用した企業的農業や,広大な牧場での企業的牧畜が行われる
・南半球での農業
・北半球諸国へ農畜産品を輸出する際に赤道を通過 ➡腐らない羊毛の生産と輸出が盛んに
・農作物の収穫時期が北半球と約半年ずれる ➡北半球の端境期で品薄のときに高値で売れる
❷鉱工業
・オーストラリア…東部のグレートディヴァイディング山脈で石炭,西部のピルバラ地区で鉄鉱石を大量に産出
人口が約2,500万人と少なく国内需要も小さいため,工業はあまり発達していない
■オセアニアの生活文化と諸課題
❶先住民…オーストラリアのアボリジニ,ニュージーランドのマオリ
➡かつては迫害されていたが,近年では先住民の権利や文化などが尊重されるようになってきている
❷アウトバックでの生活…人口希薄地帯では,救急患者の輸送に飛行機を使用するフライングドクターサービスを実施
❸イギリス連邦…オーストラリアやニュージーランド,ツバルなど旧イギリス領の国々が多い
➡国旗にイギリス国旗(ユニオンジャック)が配された国がある。公用語は英語で,国家元首がイギリス国王の国も
❹白豪主義…かつてオーストラリアでとられていた,事実上移民をヨーロッパ系に限る政策
➡どの文化も等しく価値があるとする多文化主義へと切り替え,アジア系の移民が増加