15サブサハラ・アフリカの暮らし
■サブサハラ・アフリカの自然環境
❶地形…アフリカは大陸全体が南高北低・東高西低の地勢。台地状であるため海岸平野に乏しく,河川の下流に急流部が多い
・変動帯にあたる北西端のアトラス山脈以外は安定大陸(安定陸塊)だが,大陸東部のアフリカ大地溝帯は地震と火山が多い
・南東端には古い変動帯のドラケンスバーグ山脈が連なる
・外来河川で世界最長のナイル川,世界2位の流域面積を持つコンゴ川や,ニジェール川,ザンベジ川が流れる
❷気候
・アフリカ大陸の気候区は,赤道から高緯度側にかけておおむね南北対称
熱帯雨林(Af)気候➡サバナ(Aw)気候➡ステップ(BS)気候➡砂漠(BW)気候➡ステップ(BS)気候➡地中海性(Cs)気候
・サハラ砂漠南縁部のサヘル地域では砂漠化が進む
■サブサハラ・アフリカの産業
❶農業
海岸付近:植民地時代から続くプランテーション農業
➡カカオ豆・コーヒー豆・茶・落花生・綿花などの商品作物を栽培
南アフリカ共和国:地中海式農業
➡ブドウの栽培やワインの生産が盛ん
熱帯地域:自給的な焼畑農業
➡キャッサバ・タロイモ・バナナなどを栽培
乾燥地域:灌漑農業や遊牧
➡キビ・ヒエ・モロコシなどの雑穀の栽培や,小麦・ナツメヤシ・果樹・野菜の灌漑耕作など
❷鉱工業…石油・石炭・鉄鉱石・銅・ボーキサイト・レアメタル・金・ダイヤモンドなどの豊富な地下資源が埋蔵
➡モノカルチャー経済構造のため,工業化は南アフリカ共和国などごく一部のみ
➡コンゴ民主共和国などでは,紛争地域で採掘された紛争鉱物が武器の購入にあてられ,紛争の長期化・深刻化をもたらす
■サブサハラ・アフリカの生活文化と諸課題
❶宗教…大陸北部のイスラームのほか,キリスト教や多様な土着宗教を信仰。東アフリカのスワヒリ語はアラビア語の影響を受ける
❷歴史…ヨーロッパ諸国による三角貿易・奴隷制・植民地化が社会の発展を大きく妨げ,民族分布を無視して引かれた植民地時代の国境が紛争の一因に
➡アフリカの年(1960年)を中心にほぼ独立を達成したが,経済的に自立できず
❸諸課題
・南アフリカ共和国で行われていたアパルトヘイト ➡現在も格差が残る
・貧困に由来する児童労働やチャイルド・ソルジャーが将来の発展の足かせに
・マラリアなどの風土病,高いHIV感染率,エボラ出血熱など多くの感染症の蔓延