13南アジアの暮らし
■南アジアの自然環境
❶地形
北部:変動帯にあたり,急峻なヒマラヤ山脈やカラコルム山脈が走る
➡これらの山脈とチベット高原は,インド亜大陸が北上してユーラシア大陸にぶつかり形成。現在も成長を続ける
中部:ガンジス川やインダス川などの大河川が流れ,大インド砂漠やヒンドスタン平原が広がる
➡大河川の下流ではデルタ(三角州)地帯が形成〔例:ガンジスデルタ〕
南部:肥沃なレグール土(黒色綿花土)が分布するデカン高原 ➡綿花の生産が盛ん
インド洋の島々:リゾート地としても有名なモルディブは,サンゴ礁からなる島嶼国
❷気候…地域の大半は熱帯気候
➡暑い地域の生活に適応したさまざまな香辛料を用いた料理やサリーなどの文化が形成
季節風(モンスーン)の影響を強く受ける
冬は陸から海に向かって吹く乾いた北東季節風➡乾季
夏は海から陸に向かって吹く湿った南西季節風➡雨季
➡雨季は降水量が激増し,低地で河川が氾濫して洪水が発生することがある。熱帯低気圧=サイクロンも襲来
■南アジアの産業
❶農業
デルタ地帯や沿岸部の低地などモンスーンによる豊富な降雨を利用した稲作が盛ん
北部:小麦の栽培が盛ん。パンジャブ地方では灌漑による米と小麦の二毛作も行われる
インドのアッサム地方・ダージリン地方やスリランカ:世界的に有名な茶の産地。イギリス植民地時代に発達
❷工業
・縫製業…バングラデシュなど,安価な労働力による手作業の縫製が中心
➡児童労働や劣悪な労働環境などが問題
・インドの自動車産業…低価格車の生産が中心だったが,経済発展にともない脱低価格路線にシフト
・インドのICT産業…ソフトウェア開発や海外企業のコールセンター ⬅英語話者の多さ,理数系教育の推進などが背景
■南アジアの生活文化と諸課題
❶歴史…19世紀にイギリス領インド帝国(英領インド)が成立
➡イギリス植民地に
❷宗教…インド・ネパールはヒンドゥー教が多い
➡カースト制がインド社会に根づく
パキスタン・バングラデシュはイスラーム,スリランカは上座仏教,ブータンはチベット仏教の信者が多い
❸言語…インドは,公用語のヒンディー語,準公用語の英語のほか,憲法で22の地方公用語を規定
❹諸課題…カシミール地方をめぐるインド・パキスタン間のカシミール問題
➡国境はいまだ画定せず