05暮らしと産業
■世界と日本の産業の変化
18世紀~
<世界>
●ヨーロッパの産業革命
石炭の動力源に蒸気機関を用いて,軽工業から鉄鋼業などの重工業へと発展し,第2次産業人口が増加
<日本>
●家内工業が中心
各地で焼物や漆器,織物など,現代の伝統工芸品につながる工業製品を製造
19世紀後半~
<世界>
●新たな動力源として電気やガソリンが誕生
ヨーロッパやアメリカなどに機械・化学・電機などの大規模な工業地帯が形成
<日本>
●明治政府による殖産興業政策による日本の産業革命と,富岡製糸場をはじめとする生糸・紡績といった軽工業の発展
⇨官営事業の民間払い下げと鉄道網の整備
20世紀初め~
<世界>
●アメリカのフォード社による自動車の大量生産方式の確立
⇨自動車の普及とモータリゼーション(車社会化)
●飛行機の開発と2度の世界大戦にともなう改良
<日本>
●日露戦争後,重工業が発展
●豊田・鈴木(のちのトヨタ・スズキ)など,織機メーカーの誕生
⇨第二次世界大戦後,自動車生産が本格化
1960年代~
●エネルギー革命 ⇒動力源のメインが石炭から石油へ
<世界>
●オイルショック(石油危機)
・新エネルギー開発と省エネルギー政策
・オイルマネーによる産油国の経済成長
●国際分業の進展
機械・電機など工業の発展で,アジアNIEs(韓国・台湾・シンガポール・ホンコン)や新興国の誕生
●先進国における産業の空洞化
<日本>
●高度経済成長が起こり,太平洋ベルトに大規模な工業地帯が形成
⇨都市の人口移動や第2次産業人口の増加
●オイルショック
●自動車生産が進展し,世界有数の輸出国に
⇨アメリカとの貿易摩擦が発生
●国際分業の進展 ⇨アジア諸国への工場移転と産業の空洞化
2000年代~
●先進国における技術革新(イノベーション)
⇨ICT(情報通信技術)・バイオテクノロジー・AI(人工知能)など,先端技術(ハイテク)産業の発展
⇨第3次産業中心。知的財産権の輸出により製品の製造から研究・開発へ。日本では特にコンテンツ産業が成長
●国際分業のさらなる進展 ⇨発展途上国でも産業構造が高度化
⇨BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ共和国)などの台頭
●他社に製造を委託し,完成品を自社のブランド名で販売するOEMの活発化
⇨先進国で研究・開発を行い,生産コストの低い発展途上国で製造する
⇨委託された発展途上国の企業において技術力などが向上
⇨アジアやアフリカなどの後発発展途上国(LDC)の経済発展。成長市場とみなし,世界から資金が流入
●鉄道などの公共交通機関の再評価(モーダルシフト)
■産業と私たちの生活
❶自動車生産の移り変わりと生活の変化
アメリカでは,1900年代に流れ作業による大量生産が開始
⇨世界でいち早くモータリゼーションが進展
ドライブスルー,幹線道路沿いの大規模ショッピングセンター,郊外への年の拡大 など
❷電気自動車へのシフト…電気自動車の部品点数はガソリン自動車の約半分
自動車業界における大変革(CASE)
⇨既存の自動車産業を基盤とした産業構造の変化
⇨サプライチェーンの再構築
❸情報通信産業と生活の変化
1990年代以降のインターネットの普及,2010年以降のスマートフォンの普及によるさまざまな変化
インターネットショッピングeコマース(電子商取引),SNS,3D プリンターによる少量・特殊品の生産,IoT化,ドローンサービス,5G(第5世代移動通信システム)サービス,テレワーク など