03気候と生活
■気候と大気
気候…例年繰り返される大気の現象の平均的な状態 影響➡植生や土壌の分布 関係➡生活文化や産業など
気候要素:気温・風・降水量・蒸発量 影響 ⇐影響気候因子:緯度・標高・大陸や海洋との位置関係・海流など
気温は太陽エネルギーを多く受ける低緯度地方ほど高く,高緯度地方で低い
・気温の年較差…低緯度地方より高緯度地方で大きく,沿岸部より内陸部の方が大きい
・気温の日較差…低緯度地方では,気温の年較差より日較差の方が大きい
大気の大循環…低緯度地方と高緯度地方で空気を循環させ,地球が受ける太陽エネルギーの差をならす役割を持つ
・地球には低圧帯と高圧帯が交互に分布 ➡季節によって南北に移動
亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)…下降気流が生じ,雲ができにくい ➡少雨(乾燥)
赤道低圧帯(熱帯収束帯)…上昇気流が生じ,雲ができやすい ➡多雨(湿潤)
・地表付近の風は高気圧から低気圧に向かって吹く
 ➡地球の自転により,北半球では風の進行方向が右に,南半球では左に曲がる
貿易風…亜熱帯高圧帯から赤道低圧帯に向かって吹く。北半球では,北東風
偏西風…亜熱帯高圧帯から亜寒帯低圧帯に向かって吹く。北半球では,南西風
 ➡1年中同じ方向に吹くため,恒常風と呼ばれる
季節風(モンスーン)…季節によって風向きが変わる風。大陸と海洋の比熱の違いにより生じる
・夏は大陸側に上昇気流が発生して低気圧となり,海洋から大陸に風が吹く
・冬は海洋側が低気圧となり,大陸から海洋に風が吹く
❹ケッペンの気候区分…植生と降水が重要な指標
A気候(熱帯)…Af熱帯雨林気候,Am弱い乾季のある熱帯雨林気候,Awサバナ気候
・明瞭な四季の区別がない
・赤色のやせた土壌のフェラルソル(ラトソル)が広く分布
・Afでは多種多層の常緑広葉樹(雨林)が発達。ほぼ毎日,午後にスコールが発生し,短時間に強い雨が降る
・Awでは明瞭な雨季と乾季が見られ,長草草原と疎林が広がる

C気候(温帯)…Cs地中海性気候,Cw温暖冬季少雨気候,Cfb西岸海洋性気候,Cfa温暖湿潤気候
・年間を通じて比較的温和で,四季の変化が明瞭
 ➡人間活動・経済活動が盛んで,人口密度の高い地域が多い
・適度な気温と降水により,比較的肥沃な褐色森林土などの土壌が分布
・Csでは夏季少雨。ブドウや柑橘類,オリーブなど乾燥に強い植物を栽培
・Cwでは冬季でも落葉しない常緑広葉樹が見られる

D気候(冷帯〈亜寒帯〉)…Dw冷帯(亜寒帯)冬季少雨気候,Df冷帯(亜寒帯)湿潤気候
・北半球にのみ見られ,冷涼で蒸発量が少なく湿潤
・針葉樹林帯が広がり,ユーラシア大陸北部ではタイガと呼ばれる
・主にやせた土壌のポドゾル永久凍土が分布

E気候(寒帯)…ETツンドラ気候,EF氷雪気候
・極地方や高山地域に分布。永久凍土に覆われ,夏でも低温のため樹木は育たないが,短い夏に地表がとけるとコケ類や地衣類が育つ

B気候(乾燥帯)…BW砂漠気候,BSステップ気候
・蒸発量にくらべて,降水量が少ないため樹木が育ちにくい
・BSでは,丈の短い草原ステップが広がり,チェルノーゼムなどの肥沃な土壌も見られる