01球面上の世界と地図
■球面上の位置
❶地球上における位置は,南北方向の位置を示す緯度と,東西方向の位置を示す経度によってあらわされる
<緯線>
・0度の基準は赤道で,1周約40,075km。地球を北半球と南半球に二等分する
・緯線の長さは緯度によって異なり,極に近いほど短く,60度の線は赤道の半分の長さ。赤道を除き,緯線は東西をあらわさない
<経線>
・0度の基準は本初子午線。すべての経線が北極と南極を結ぶ。南北方向を示すため子午線ともいう。長さはすべて同じ。経線間隔は赤道上が最も広く,極に近いほど狭くなり,北極点と南極点で1点に集約する
❷本初子午線…経度の基準となる0度の線。1884年に開催された国際子午線会議で,イギリスのロンドン郊外にある旧グリニッジ天文台を通る線に定められた
❸時差…各地点での時刻の差。本初子午線の時刻をグリニッジ標準時(GMT)とし,経度差15度ごとに1時間の時差が生じる
■地図投影法
●地図の4要素…距離・方位・角度・面積
➡1枚の地図上ですべての要素を正しくあらわすことはできない
➡用途に応じて適切な図法を選ぶことが重要
正角図法…メルカトル図法は緯線と経線が直交し,任意の2点間の等角航路が直線で描かれる
正距方位図法…中心から任意の地点への距離と方位が正しい。中心から任意の地点の大圏航路が直線で描かれる
正積図法…すべての範囲で面積が正しい比率で描かれる。地図の周辺では形のひずみが大きくなるものが多い
■地理情報システム
❶GIS(地理情報システム:Geographic Information System)
…緯度や経度などの位置情報をもとに,地球上に存在する事物や事象の位置をコンピュータの地図上にあらわして,相互関係や傾向などを地理的に考察するしくみ。スマートフォンを使った道案内もGISの一種
例:地理院地図…国土地理院が提供する地形図や空中写真をウェブ上で閲覧できるサービス。標高・地形分類・災害情報など日本の国土情報が配信され,地形断面図の作製や新旧空中写真の比較などもできる
❷GNSS(全球測位衛星システム:Global Navigation Satellite System)
…人工衛星から発信される信号を利用して,地上の現在位置を取得する技術
日本は,アメリカが運用しているGPS(Global Positioning System)を主に利用しているが,安定した位置情報を得るために,より高精度の測位が可能な準天頂衛星システム「みちびき」の運用を2018年度から開始