p.44-45 ゼミナール 先哲に学ぶ!考え方から悩みまで
用語解説
デカルトは,明らかで確実な真理に到達するために,疑うことができるものはすべて疑った結果,「私がある」ということこそが唯一の確実な真理であるという結論にいたった。この懐疑は,単に「私は何も知ることができない」という不可知論的な懐疑ではなく,むしろ真理を知るための方法としての懐疑である。
人間には理性がそなわっており,この理性を用いることで真理を把握できるという考え方。フランスやドイツなどで発展した。合理論では,理性によって知られた確実な真理から個別事象を推論する演繹法が重視された。代表的な思想家にデカルトがいる。
人間は個々のものを認識するという個別的な経験をとおしてしか物事を知ることはできないという考え方。イギリスで発展した。経験論では,経験された個別的な事象を積み上げることによって一般的真理へといたる帰納法が重視された。代表的な思想家にベーコンやロック(→p.57)がいる。
ヘーゲルが採用した,対立する二つのものからより高次の結論を導く思考法。語源はギリシア語のディアレクティケー。