p.196-197 日本銀行の役割
用語解説
国家の金融の中心となる銀行で,日本では日本銀行(日銀)がそれにあたる。日銀は,紙幣を発行する日本で唯一の発券銀行であり,銀行の銀行として,市中銀行に対して預金・貸出などをおこない,政府の銀行として,国庫金の出納などをおこなっている。
中央銀行が保有する金の量に縛られず,経済の状況に応じて貨幣の発行量を管理する制度。1929年の世界恐慌を受けて,景気対策のために自由に紙幣を発行する必要にせまられたため,主要国は金本位制を廃止して管理通貨制度に移行した。貨幣に金や銀の裏づけがないことから,過剰に発行されると貨幣価値が失われ,インフレを引き起こしやすくなる。
銀行間で短期資金を貸し借りする時の金利。
中央銀行が民間金融機関に融資する時の利子率。かつての日本では公定歩合操作が金融政策の中心であったが,1994年に金利が自由化され,公定歩合の政策金利としての実質的意義がなくなったため,現在は無担保コールレートを政策金利としている。
中央銀行が政策金利を0%近くまで誘導し,景気や物価を押し上げる金融政策。1999年,日本銀行は無担保コールレート(翌日物)の金利を史上最低(当時)の0.15%に誘導することを決定した。
日銀当座預金残高(市中銀行が日本銀行に預けておくお金)を増加させる金融政策。