p.186-187 市場のしくみ(2)
用語解説
生産などの規模を拡大することで,分業がより効率化し,大量生産によるコストダウンが可能となること。
少数の企業でその産業の売上額の大部分を占しめていること。売り手が1社だと独占,卸売市場や株式市場のように売り手と買い手が多数いる市場は完全競争市場とよばれる。
独占・寡占市場の一形態で,同じ産業の企業どうしが生産量や価格について協定を結び,競争をおこなわないことをさす。このような市場の競争に影響をおよぼす行為は,独占禁止法で規制されている。そのほか,企業結合の形態としては,同じ産業の企業が合併するトラストや,業種が異なる企業を一つの資本系列に統合するコンツェルンがある。
市場経済に委ねるだけでは市場がうまく機能しないことがある。これを市場の失敗という。寡占・独占のほか,フリーライダーが使用可能な公共財(→p.201)では市場自体が成立しない。また,外部経済・外部不経済のように市場の外で利益や不利益をもたらす場合があったり,情報の非対称性(→p.91)によって消費者の利益が損なわれたりすることもある。
商品の生産・販売について独占や寡占状態にある時,一定の高い利潤を確保できるように, 1社もしくは数社が商品の需要・供給を無視して決める価格。消費者に不利益となるため,規制が必要となる。
道路,公園,警察など誰もが自由に利用できる財・サービス。費用を出さずにサービスを利用するフリーライダーが必ず現れることから,民間企業ではなく政府が供給する。