p.218-219 国際収支と為替相場
問いの解答例・解説
問い 日本の国際収支にはどのような特徴があり,どのような歴史をたどってきたのだろうか。
【解答例】 2000年代半ば頃までは貿易収支の黒字が経常収支の黒字の大きな要因であったが(貿易立国),それ以降は第一次所得収支の黒字が大きな要因となっている(投資立国)。
問い 次の事例は国際収支のどれにあてはまるだろうか。
①日本の石油会社がサウジアラビアから原油を輸入した時に支払った代金。
②日本人がニューヨークのホテルで支払った宿泊代。
③日本のJリーグで活躍するブラジル人サッカー選手が,ブラジルの家族に送金したお金。
④日本人がドイツ企業の株式を購入した代金。
⑤日本政府が,農業用水供給用のダムをスーダンに建設するため,無償で援助した資金。
⑥日本人が保有する韓国企業の株式に対する配当金。
【解答例】 ①貿易収支 ②サービス収支 ③第二次所得収支 ④金融収支 ⑤資本移転等収支 ⑥第一次所得収支
問い 戦後の日本の円相場にはどのような特徴があるのだろうか。
【解答例】 1970年代前半に変動相場制に移行してからは,基本的に円高基調で進行した。1990年代以降は急激な円高になることもあるが,それ以前のような大幅な相場の変動は見られない。
問い 国際収支にはどのような項目があるかあげよう。
【解答例】 経常収支(貿易収支,サービス収支,第一次所得収支,第二次所得収支),金融収支,資本移転等収支,誤差脱漏
問い 現在の日本の国際収支には,どのような特徴があるのか説明しよう。
【解答例】 直近の20年ほどで,日本の経常収支の黒字額に大きな変動はないが,その構成要素は大きく変動している。2000年代半ば頃までは貿易収支の黒字が経常収支の黒字の大きな要因であったが(貿易立国),それ以降は第一次所得収支の黒字が大きな要因となっている(投資立国)。