p.208-209 これからの社会保障
問いの解答例・解説
問い これからの社会保障制度を考えるには,どのような視点が必要なのだろうか。
【解答例】 日本は,他国に例を見ないほどの速さで高齢化が進行し,年金や医療保険費が増加しているので,社会保障給付費も急増している。このことをふまえて,これからの日本の社会保障制度のあり方について考えていく必要がある。特に負担が少なく社会保障サービスが中程度である,低負担・中福祉だと社会保障制度は持続可能にはならない。今後さらに高齢化が進展すると予測されているので,受益と負担のあり方を早急に考えていく必要がある。
問い 資料1の社会保障給付費の推移の図とあわせ,グラフの推移の背景を考えよう。
【解答例】 1980年代以降から社会保障給付費や社会保障関係費の伸びが著しい。なかでも,年金給付費や医療給付費の割合が高い。この背景として,高齢化が急速に進展していることが予測できる。
問い 世界のおもな社会保障のモデルについて三つあげよう。
【解答例】 ①租税中心型の普遍主義モデル,②保険料を原資とした社会保険モデル,③民間保険中心の自助努力モデル
問い これからの社会保障制度を考えるにはどのような視点が必要か,これまでの学習をいかして説明しよう。
【解説】 日本の社会保障制度は受益と負担がアンバランスなので,この観点から今後の社会保障制度を持続可能にするためのあり方を考えていく必要がある。ただし,これだけでなく,障害の有無,加齢,困難な立場にいる人々などを考えつつ,誰もが暮らしやすい社会を実現するために,どのような考え方があり,この考え方を実現するための課題は何かについても考えていく必要がある。