p.202-203 租税の意義と役割

問いの解答例・解説

■p.202 課題

問い 租税のあり方について大切なこととは何だろうか。

【解答例】 私たちが納めた税金は医療や年金,教育,地方公共団体の経済活動などの公共サービス,道路や学校などの社会資本などに使われている。税金は私たちの生活をよりよくするための「会費」といえるので,税金の無駄遣いがないかどうか,チェックしていく必要がある。


■p.203 資料2・Q

問い 所得税の累進課税制度や消費税について,垂直的公平・水平的公平の視点から,制度の特徴と課題を考えよう。

【解答例】 水平的公平とは,所得または消費支出が同程度ならば,職種に限らず同じくらいの租税負担を課すとする考え方である。消費税は消費があれば所得に関係なくほとんどが課税される一方,所得が低い人ほど負担感が大きくなる逆進性がある。垂直的公平とは,所得税の累進課税のように所得が多い人ほどより多くの租税を負担する考え方である。


■p.203 確認

問い 租税の基本原則を三つあげよう。

【解答例】 ①公平,②中立,③簡素


■p.203 活用

問い 消費税の逆進性は租税の基本原則のどんな点で問題があるだろうか。また,逆進性に対する方策を考えよう。

【解説】 消費税は逆進性の問題がある。逆進性とは,低所得者ほど所得に対する消費税の負担率が高くなる(逆にいえば高所得者ほど負担率が低くなる)ため,租税の三原則のうち「公平」に矛盾することになる。
逆進性に対する方策として,軽減税率が有効であると考えられがちだが,高所得者ほど軽減の恩恵を受けやすい。この問題点をふまえると,給付型税額控除を活用する方策が考えられる。給付型税額控除とは,税金から一定額を控除する減税で,課税額より控除額が大きい時にはその分を現金で給付する措置である。たとえば,納税額が8万円の人に15万円の給付付き税額控除を実施する場合には,差額の7万円が現金支給される。低所得者や子育て世帯への支援策として有効だといわれる。また,一定収入以下の低所得者に対し,持続的に定額給付をおこなう方策も,全員に給付される点からも効果的である。