p.200-201 財政のしくみと課題

問いの解答例・解説

■p.200 課題

問い なぜ政府は経済活動をするのだろうか。日本の財政には,どのような課題があるのだろうか。

【解答例】 財政は政府の経済活動である。適切な経済活動が運営されたり,よりよい国民生活がおくれたりできるように,政府は景気調整,所得再分配,資源配分をおこなっている。日本の財政の課題は,少子高齢化や経済成長の停滞などにより,租税収入が減るとともに社会保障関係費が伸び続け,財政に占める公債費の割合が増えている。


■p.200 クローズアップ・Q

問い 国家予算の図を見て考えよう。
①歳入が不足した場合,何でまかなっているのだろうか。
②国債費が歳出に占める割合は何%か。
③一般歳出の内訳のなかで,最も多いものは何か。

【解答例】 ①特例公債などの公債金 ②24.0%(2024年度) ③社会保障関係費


■p.200 資料1・Q

問い 財政の目的は何だろうか。

【解答例】 財政には景気調整,所得再分配,資源配分の三点の機能があり,私たちの生活や経済活動を円滑にする目的がある。


■p.201 資料4・Q

問い 公債発行額が急激に増えたのはいつだろうか。その背景には,何があるのだろうか。

【解答例】 特例公債が増えたのは,バブル経済が崩壊し,景気が悪くなり税収が落ちこんだ後の1998年からである。その後,特例公債が建設公債より多く発行されている。


■p.201 確認

問い 財政の目的を三つあげよう。

【解答例】 ①景気調整,②所得再分配,③資源配分


■p.201 活用

問い このまま公債を発行し続けると,私たちの生活はどのような影響を受けると考えられるだろうか。

【解答例】 公債発行が増え続けているので,以下のような事態が想定される。第一に,公債の信用が低下するのでこれ以上の公債発行が難しくなる。第二に,金利が上昇し企業の投資が抑制され,経済活動の活力が失われかねない。第三に,政策に使える予算が増え続けた結果,公債にばかり税金が投入され,国民生活に密接な関係がある社会保障関係費や教育費などの予算編成が困難になる。