p.190-191 国民所得と私たちの生活

問いの解答例・解説

■p.190 課題

問い 経済指標のみで豊かさをはかることはできるのだろうか。

【解答例】 GDPなどは生産活動をはかる指標で,生活の豊かさをはかる指標ではない。それらを加味した指標として,「世界幸福度指数」などがある。


■p.190 資料1・Q

問い ①~④のうち,日本のGDPに含まれれば〇を,含まれなければ×をつけよう。
①外国人が日本で稼かせいだ給料  ②日本人が外国で稼いだ給料
③炊事,洗濯などの家事労働  ④中国企業が日本で生産した生産額

【解答例】 ①○ ②× ③× ④○

【解説】 GDPの対象は,あくまでも「国内」である点に留意しよう。なお,家事労働については「クローズアップ」を確認しよう。


■p.191 資料3・Q

問い ①GDPの大きさが100兆円から110兆円になった場合,名目経済成長率は何%か。
②①の時,価格変動率が3%だった場合,実質経済成長率は何%か。

【解答例】 ①10%  ②7%

【解説】 名目経済成長率から物価上昇率を引くと,実質経済成長率の近似値を求めることができる。


■p.191 資料3・Q

問い 名目と実質の経済成長率に差がある時は,どのような経済状況だったのだろうか。

【解説】 たとえば2000年代は実質経済成長率の方が高いが,これは日本が長期にわたるデフレーションが続いていたためである。


■p.191 確認

問い 国の経済規模をはかる指標にはどのようなものがあるか,特徴とともに三つあげよう。

【解答例】 ・国内総生産(GDP):1年間の国内総生産額-中間生産物(原材料費)
・国民総所得(GNI):GDP+海外からの純所得(同じ国籍をもつ人が海外で稼いだ所得)
・国民純生産(NNP):GNI-固定資本減耗(機械などを使用することで生じる価値の減少分)


■p.191 活用

問い 経済指標で「豊かさ」をはかる際のメリットとデメリットをあげよう。

【解答例】 経済指標を用いれば客観的に経済成長のようすを見ることができ,「豊かになった」と判断できる。他方で,GDPなどは生産活動をはかる指標で,生活の豊かさをはかる指標ではない。そのため,指標ばかりに着目すると,本来の「豊かさ」を得られない可能性もある。