p.86-87 新しい人権
要点の整理

(1) プライバシーの権利
・私生活をみだりに公開されない権利。個人の尊重を根拠に,人格権として認める
・〔判例〕『宴のあと』事件(東京地裁 1964年9月28日 原告勝訴)
 →第一審でプライバシーの権利を法的権利として認めた
・〔判例〕『石に泳ぐ魚』事件(最高裁 2002年9月24日 原告勝訴)
 →最高裁は,慰謝料の支払いと,人格権に基づいて初めて出版差し止めを認めた

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(2) 知る権利と情報公開制度
知る権利……国家情報の公開を求める権利。表現の自由(第21条)が根拠
・多くの情報公開条例が制定→情報公開法(2001年施行)
・〔判例〕外務省公電漏洩事件(最高裁 1978年5月31日)
 →情報を漏洩した事務官も,取材した記者も有罪となった

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(3) 環境権
環境権……よりよい環境を享受する権利。生存権と幸福追求権が根拠
・〔判例〕大阪国際空港公害訴訟(最高裁 1981年12月15日)
→最高裁判所は権利としては認めず,飛行の差し止め請求も退けられた

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(4) 自己決定権
自己決定権……自分に関することは自分で決める権利。幸福追求権が根拠
・〔判例〕輸血拒否事件(最高裁 2000年2月29日 原告勝訴)
 →最高裁は原告の人格権が侵害されたとして,医師に損害賠償を命じた