p.80-81 法の下の平等(1)
要点の整理
(1) 法の下の平等
・法の下の平等……人種・信条・性別・社会的身分による差別を禁止(第14条)
・個人の尊厳と両性の平等(第24条),選挙権の平等(第44条),教育の機会均等(第26条)
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(2) 法の下の平等に関わる判例
①〔判例〕尊属殺人重罰規定の違憲判決(最高裁 1973年4月4日 違憲)
・刑法第200条は,極端に重い刑を科していて,情状酌量すべき状況があっても執行猶予できないなどの問題がある。合理的根拠に基づかない差別を設けているので,意見であり無効であるとの判決を下した
→刑法改正(該当の条文削除)
②〔判例〕婚外子法定相続分差別規定の違憲判決(最高裁 2013年9月4日 違憲)
・法律婚は日本に定着しているが,父母が婚姻関係になかったという,子にとっては自ら選択できないことを理由として,子に不利益を及ぼすことは許されないとして,民法の規定を違憲とした
→民法改正(該当の規定削除)
③〔判例〕女性再婚禁止期間規定の違憲判決(最高裁 2015年12月16日 違憲)
・民法第772条には再婚から200日をすぎた後に生まれた子は現夫の子と認められる規定があるが,離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する規定がある。民法第733条の女性再婚禁止期間は6か月としているが,この長期の日数は合理性がなく,憲法の平等権に違反すると判断した
→民法改正(該当の規定改正)
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(3) 女性差別
・民法での夫婦同姓規定:妻が夫の姓に変えることが多い
→最高裁は2度合憲の判断を下しているが,夫婦別姓については国会での議論を求めている
・政治や雇用,教育の場で,女性に不利な現状
→ポジティブ・アクション(積極的是正措置)が求められる