p.74-75 自由権(1)~精神的自由
要点の整理
(1) 信教の自由
・精神的自由……心の中で考えること(内心の自由)およびそれを外部に表現する自由
・信教の自由(第20条):政教分離の原則(政治と宗教の結びつきを禁止)
〔判例〕愛媛玉ぐし料訴訟(最高裁 1997年4月2日 違憲)
→最高裁は,県と靖国神社などとのかかわりが限度をこえており,宗教活動を禁止する憲法第20条3項,公金の支出を禁止する第89条に反し違憲であると判断した
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(2) 思想・良心の自由
・思想および良心の自由(第19条)
・〔判例〕三菱樹脂訴訟(最高裁 1973年12月12日 差し戻し,原告敗訴)
→最高裁は,憲法の規定は私人間の争いには適用されないとの立場をとり,会社の雇用の自由を優先した
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(3) 表現の自由
・集会・結社・表現の自由(第21条)
〔判例〕家永教科書裁判(第3次訴訟までおこなわれた)
→この裁判では,教科書検定が憲法第21条で禁じている検閲にあたるかどうかが争われた。最高裁の判決では,教科書検定制度は合憲だが,教科書調査官による検定における裁量権の濫用は許されないと主張された