p.56-57 民主主義
要点の整理
(1) 直接民主制と間接民主制
①直接民主制
・国民が直接議論したり決定したりする制度。古代ギリシャのポリスではじまる
②間接民主制
・国民が選挙で代表者(日本では国会議員)を選出し,代表者が決定(議会制民主主義)
→現代の多くの民主主義国家が間接民主制を採用
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(2) 社会契約説
社会契約説……個人の相互契約によって国家が成立するという考え。自然権が根底にある
①ホッブズ 『リバイアサン』
・自然状態:「万人の万人に対する闘争」
・社会契約:自然権を国家(国王)に譲渡
・特色:結果的に絶対王政を認めたが,個人を単位として社会を説明した
②ロック 『市民政府二論』
・自然状態:自由・平等
・社会契約:自然権の一部を代表者に信託
・特色:信託にこたえない時は抵抗できる(抵抗権・革命権)として市民革命を根拠づけた
③ルソー 『社会契約論』
・自然状態:自由・平等
・社会契約:一般意思(志)(人民の共通意思)の同意
・特色:間接民主制を批判し,直接民主制を主張した
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(3) 国家の分類
・夜警国家(小さな政府):国防や治安維持など最小限の機能しかもたない国家
・福祉国家(大きな政府):社会保障などを通して社会的弱者を保護
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(4) さまざまな支配
・伝統的支配:伝統による支配(絶対王政など)
・カリスマ的支配:支配者の特殊な資質による支配(ファシズムなど)
・合法的支配:合法的手続きによる支配(近代民主政治)