p.40-41 動機から考える公正さ
要点の整理

(1) 義務論とは
①義務論
・「幸福」ではなく「幸福に値する」ような意志( 動機)を重視→義務論: カント(独)
・義務に従って道徳的によいことをしようとする意志→善意志
②「義務にかなった」行為と「義務に基づく」行為
・行為にいたる人間の意志を重視
・結果的に義務にかなった行為かどうかではなく,義務に基づいた行為であったかどうかが善

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(2) 仮言命法と定言命法
①仮言命法
・仮言命法……「成績を上げたければ,勉強しなさい」などの条件つきの命令
→仮言命法は道徳的とはいえない
②定言命法
・定言命法……「勉強しなさい」などの無条件的な命令
→定言命法に従った行為だけが道徳的といえる

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(3) 自律的自由
・道徳法則にみずからの意志で従うこと(自律)→自由
・感情や欲求に縛られている→自由ではない
*自由は道徳的であること。よいことも悪いこともできるということではない

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(4) ロールズの正義論
・カントから影響を受け社会的正義を探究:ロールズ(米)
(自由の原理と不平等が許されるための原理)
・自分がその社会でどのような立場に置かれるのかを知らない(無知のヴェール)
→最も不遇な人が最もよい条件で暮らせる社会を選ぶはず

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(5) 潜在能力の改善~セン
・潜在能力(ケイパビリティ) ……何かをしようとした時におこなうことができる能力:セン(インド)
・豊かな生活=ケイパビリティがあること