p.248-249 国際協力と日本の役割
要点の整理
(1) ODAのしくみと現状
①ODA(政府開発援助)とは
・先進国の政府が,経済の開発や福祉の向上を目的として,発展途上国におこなう援助
・OECD(経済協力開発機構)の下部組織であるDAC(開発援助委員会)が実施。日本ではJICA(国際協力機構)が実施
②ODAの種類
・二国間援助……直接発展途上国を支援。返済義務のない贈与(無償資金協力・技術協力)と有償資金協力(円借款)がある
・国際機関向け……WFP(世界食糧計画)やIBRD(世界銀行)などの国際機関に対して資金協力をおこなう
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(2) ODAの推移と地域別配分
・先進国のODA(金額)は,21世紀に入るとアメリカが世界最大
・日本は1990年代第1位だったが,その後援助額が伸び悩み,現在世界第3位(2023年)
・対GNI比では,ヨーロッパ諸国が高く日本やアメリカは低い
・日本のODAの援助先は伝統的にアジアに多い
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(3) 日本のODAの方針と原則
・旧ODA大綱の見直し→開発協力大綱(2015年,閣議決定)
・開発協力大綱のなかでは,「国益の確保に貢献する」との表現で,日本の安全保障や経済成長に役立つ対外協力に積極的に取り組むことが明示